2019年01月01日

会員紹介

特定非営利活動法人 建設技術監査センター


はじめに
当NPOは平成17年に「技術士による公益貢献」を目指して創設し今年は15年目を迎えている。この間、国・県市町村・土木学会・日本技術士会・東京技術士会・地域開発研究所・千葉県建設業協会、等の支援を得て、順調に実績を積んで来ました。今年は若い会員による組織改革を断行し、CNCP、日刊建設新聞社,日本技術士会と協働して新たな飛躍を目指します。今後とも変わらぬ御支援・御指導を御願い申し上げます。

1.NPO設立の背景
平成16年3月、堂本暁子千葉県知事が『あすのちばを拓く10のちから〜千葉主権の確立〜』の政策提言を発表する。『自治の力(住民参加・NPO・男女共同参画)』、『千葉主権の確立、地方力・県民の力の循環を巻き起こし持続可能な千葉県を目指す』事を表明する。同年10月19日にNPO活動推進自治体フォーラム千葉大会が開催され、岩手・静岡・滋賀・千葉の各県知事に横浜市長を加えた5名の首長による共同アピールが宣言され、市民組織NPOへ熱い期待を寄せた。之を受けて千葉県技術士会はNPO法人サポート技術士センターを設立する。平成17年、工事監査を主たる活動事業として技術士、工学博士、一級建築士等20数名を中心に、大学教授、税理士、弁護士を顧問に迎えて現在のNPO法人建設技術監査センターを独立分離させた。

2.組織の主たる事業
工事監査(建設技術調査)により国土整備事業の企画・調査・設計段階における照査(適合性の検証及び有効性のレビュー)及びコスト縮減案(VE)を提案する事、工事段階における契約の適正化及び施工中の品質確保に貢献する事であり、社会資本整備事業の企画・設計・施工方法から運用計画に対し、調査し、機能・品質・コスト・工期・安全・環境に係る最適技術を提案し、市民の生命、安全を守り、社会に寄与する。

3.調査における基本理念
技術調査は事業内容を的確に把握するために調査対象工事に精通した技術者が担当する事が必要である。技術調査は様々な角度からの視点が欠かせないことから複数の技術者で調査することを原則とし、事前調査による技術調査を行い、質問書を提出する教育的工事監査を行う。

4.千葉県の巨大自然災害に備えBCPの認証取得を推進
千葉県は東に利根川、北に江戸川、西に東京湾、南に太平洋に囲まれ、日本有数の海と山の幸に恵まれています。一方、荒れる四海の波は1703年(元禄16年)の元禄地震で千葉県民6534人の命を奪い、利根川東遷により毎年繰返される河川決壊、印旛・手賀沼の浸水被害が県民に塗炭の苦しみを与えてきた。荒波に鍛えられた千葉県から多くの人材が輩出している事を特記したい。
千葉県は東京湾北部地震による被害を、死者5,600人、停電20万戸、断水147万 戸避難者数約145万人、帰宅困難者108万人、経済被害総額は9兆8千億円を公表している。防災科学技術研究所は平成30年6月、千葉県南東沖の前兆現象「スロースリップ」による 超巨大地震が目前に迫っていると【緊急警告】を発している。

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緊急警告30年6月11日


NPOは、国が取組んでいるBCP(Business continuity planning:災害時の企業継続計画)の認証取得を千葉県建設業協会と共に取組んでいる。昨年秋の説明会には50数社が参加し、平成30年度は会長、副会長会社を含む5社が認証取得を目指している。今年は太平洋沿岸、東京湾沿岸部の建設会社にBCP認証取得を指導する方針である。

5.NPO活動に新聞の報道力を活用
2010年から30年間で20〜39歳の女性人口の減少率が50%以上の消滅可能性自治体は全国の1800中896自治体が該当し、千葉県は27市町村である。今までに栄町、千代市、長南町、茂原市、いすみ市、木更津市、横芝光町等の首長と「少子高齢化対策・自治体再生」について懇談している。首長の新聞に対する真摯な姿勢から「新聞には自治体を動かす大きな力がある」事を知り、日刊建設新聞副社長・中島善明氏を特別顧問に御迎えし、千葉県の全ての首長と懇談する事を目指している。

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【千葉県建設業協会 BCP講習会


6.おわりに
次世代の若い会員がCNCPの一員として、日刊建設新聞、日本技術士会、大学技術士会と協働して地方活性化に貢献する事を願っている。
(以上)

特定非営利活動法人 建設技術監査センター
理事長 五艘 章 技術士(総合・建設) 土木学会フェロー

〒260-0032 千葉市中央区登戸 1-23-16 六羊ビル2F
        TEL:043-244-3645  FAX 043-310-3704
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第1回 シリーズ開始にあたって

(特非)シビルNPO連携プラットフォーム代表理事 山本 卓朗


CNCPを設立して3年を過ぎたところで活動の見直しを行い、今後の基本テーマとして「土木と市民社会をつなぐ」を掲げた。本来、密接な関係が無ければいけない両者の間にさまざまな“かい離”があるというのは、筆者が長年強く感じているところであり、土木界にとってそのかい離を埋めることが最も大事であると思う次第である。
本シリーズを始めるに当たり、今後の議論の種として何点か述べてみたい。
(以下、市民と一般社会を“市民”、市民社会“、企業や団体・組織を”企業“、土木界・建設界を“土木界”、“土木”などと略して述べている)。

1.企業と市民社会の対立はなぜ起こる?
行政組織や団体、企業はすべて一般市民である私たちがその一員となって成り立っている。にもかかわらず、組織の立場になった途端にその立場を優先し(優先せざるを得なくなって)、市民社会の動き(反対運動など)に対抗する(対抗せざるを得なく)なる。大企業も環境破壊などで長期の闘争に直面することもある。このような対立は常にあり得るから、平時から組織を挙げて対処方を勉強していないと急場の間に合わないことになる。次節で述べるように、欧米に始まる企業と社会とのかかわりを研究し改善する努力には、長い歴史があることがわかる。

2.企業が社会貢献や社会への責任を意識してきた歴史は?
企業が社会貢献とかステークホルダーとかを意識して活動するようになったのは、欧米では20世紀の半ばからであるが、我が国ではおよそ30年前(1990年代)位からといわれる。フィランソロピー、メセナなど慈善事業や寄付を中心とした動きに始まり、企業が大型化するにつれて、環境問題や不祥事などが社会に与える影響が顕在化し、企業の社会的責任が議論されるようになった。企業がどういう形でそれを具現化するか、さまざまな考え方や手法が開発されてきた。すなわち既に多くの企業が取り組んでいるCSR(企業の社会的責任)さらにSB(ソーシャルビジネス)などへと進化し、現在はCSV(共通価値の創造)がその主流になりつつある。(野村総研「CSV事業の先進事例分析を通じた支援の枠組みに関する調査研究事業」報告書 平成26.3参照)。

3.土木と市民社会の関係の特徴は?
商品を販売する会社は、顧客である市民と直接接しているので、よほどのことが無いかぎり対立が生じることはない。しかし土木の顧客は発注者であり、しばしば、発注者(主に行政機関)の立場を代弁して市民社会と対立することになる。“市民が直接の顧客ではない”ために、土木界がよほど努力しないと市民社会との間に横たわる壁を突破出来ない所以である。

4.土木界の社会貢献への取り組みの現状は?
前述の社会貢献や企業の社会的責任について、土木界でも同様な取り組みが行われ、CSRまではほとんどの企業がレポートを発行するなど定着している。
また現場サイトでの住民交流や地域の環境維持などで地道な活動が行われている。しかし本来的に土木界では、公共事業の請負がその大半であり、昔から曾野綾子さんの無名碑の気概を良しとする“本業を通じて社会貢献をしている”という意識が強く、直接の顧客ではない市民社会への働きかけを強める活動に及んでいない。このために公共事業の枠外へと広がっている社会的な課題解決への取り組み、さらにその取り組みからも企業収益を生み出していく、すなわち社会と価値を共有するというCSVの考え方については、他の業界に比して遅れが目立っていると思われる。

5.土木界が市民社会に理解を求めてきた努力の歴史は?
社会に貢献するという概念とは別に、土木界では、土木技術への理解促進、公共事業への理解促進について、極めて熱心に取り組んできた。産学官それぞれの組織が実行する広報活動、子供や家族を対象にした土木やその技術を理解してもらう取り組み、業界が連携して長年取り組んできた現場見学会さらに産学官が協力する形での土木学会の広報活動も大きな広がりを見せている。

6.土木と市民社会をつなぐ運動をめざしてーCNCPからの提言
情報化技術の急激な発展が世界そして社会を大きく変化させており、政府が取り組む未来投資会議やそれに呼応する大学から様々な構想が打ち出されている。そのキーワードの中に、企業の取り組むべき課題として、SDG’s(Sustainable Development Goals)やCSV(Creating Shared Value)が織り込まれている。
私たちが今まで個々に進めてきた様々な取り組みを情報として集約共有し、土木界全体を巻き込んだ運動へと発展させることで、市民社会への距離を近づけるとともに、その社会的課題の解決に土木界の持つ専門力を活用して具体的に取り組む活動を進めたいと思う。
現在私たちが取り組みつつあるのが
●CNCPにおける「土木と市民社会をつなぐ事業研究会」
●土木学会教育企画・人材育成委員会シビルNPO推進小委員会における
「土木と市民社会をつなぐフォーラム準備会」
の発足である。その具体的な活動はこれからであるが長年の懸案であり、今後の息の長い運動として、大きく広がることを期待しつつ進める所存である。
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共通価値の創造(CSV)とは

世の中の社会課題を本業で解決するCSV事業

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第3回となるCNCPサロンは、12月11日(火)17時20分から神田錦町の「ちよだプラットフォームスクェア」で、野村総研の西尾紀一氏を講師に迎えて、CSVについて解説していただいた。
CSV(共通価値の創造=Creating Shared Value)というコンセプトは、2011年にハーバード大のマイケル・E・ポーター教授により提唱された。企業活動において、社会課題の解決と企業の利益創出を両立させて、企業に新たなビジネスチャンスをもたらそうというものである。社会的価値と経済的価値は企業活動において離れていると思われていたが、重なる部分もあり、そこをCSV活動領域=共通価値が創造される領域ととらえる。

社会課題に対応することで社会的価値を創造し、同時に経済価値も創造できるアプローチである。これは、慈善活動ではなく、あくまでも収益モデルを持つ事業として取り組むことで創造される。CSR(企業の社会的責任)が社会に負の影響を及ばさないようにする予防=守りの取り組みに対して、CSVは事業を通じた社会課題解決活動=攻めの取り組みといえる。
CSV事業の国内事例として、伊藤園の茶産地育成事業(コンセプト:産地と伊藤園の共栄、背景:茶葉の需要増大なるも茶農家の減少、実施した活動:契約栽培と新産地事業)が紹介された。ここでの共通価値は、■社会的価値:農村部の地域振興(農業発展)、担い手不足の解消 ■企業にとっての価値:国産茶葉(原料)の安定供給、品質向上、とのことである。
つぎに講師より、国家レベルの課題「増大する国民医療費」の対応として、企業の健康経営(健康管理を経営課題としてとらえ、従業員の健康の維持・増進と会社の生産性向上をめざす経営手法)とCSVをからめてアプローチする概念図が提起された。
今回、なじみのない概念であったCSVの概略を教えていただいて、我われNPO活動に携わるものとして、社会貢献のあり方についてより多面的に知ることができた。私事であるが、筆者の属する団体は事業型NPOとして活動してきたが、CSVと競合ではなく協働できることもわかった。
一方で、事業として取り組む企業の信用と信頼をえるために、我われも実績をあげ組織を整えなければならないと思った。
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posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | NPOファイナンス等