2018年12月01日

NPO法人・いきいき35

●設立  : 平成21年8月に設立
●設立目的: シニア土木技術者の社会貢献
●メンバー: シニア土木技術者を中心としたメンバーで構成
平成30年4月 会員数 18名
●活動紹介: 1.環境活動を年6〜8回行い社会貢献へのモチベーションを保っている。
2.事業活動についての検討小委員会により、「シニア土木技術者に何ができるか」を主要テーマとして、またその他についても幅広く意見交換をしている。
3.同様な活動を行っている建設系NPO法人へのヒヤリングを行っている。
4.行政機関と年4回程度の協議を行う。ダム管理等についてメンバーの経験を生かした支援ができないか検討を重ねている。
5.民間企業への業務支援などのニーズに対し、ヒヤリングを行っている。

●活動状況: 1.本年度、新規会員1名増員することができた.
2.平成30年7月の西日本豪雨は岡山県、広島県に甚大な被害を及ぼした。報道は大きくされなかったが山口県東部でも甚大な被害を受けた。現在、官民が一体となり早期の災害復旧に取り組んでいるが、山口県においてもここ数年で多くの熟年技術者が退職、離職し後継の若い技術者が育っていないため、今回の災害対応においても技術者不足、技術力不足が露呈するなど、厳しい対応が余儀なくされているとのことです。その手助けとして、我々の活動が役立たないか行政、民間企業に提供できる技術、求められる技術について打ち合わせをお願いしているところです。
3.「技術者不足・省力化」をキーワードに国交省が推進しているICTに取り組んでいる地元企業を山口県産業展で知り、石村理事長と同行し取り組みについてヒヤリングをお願いし今後、機会があれば情報交換等を行う事とした。その後、当該企業の取り組みが新聞報道され今後の事業活動が注目されているところです
4.山口県環境生活部県民生活課による「パートナーシップ会議」に出席するなどし広い目線による幅広い情報収集により、当「いきいき35」の課題である「何ができるか」を今後とも探していきたい。

img706.jpg
総会風景

特定非営利活動法人 いきいき35
理事長 石村 和寿  事務局長・理事 皆本 義典
〒754-0897 山口県山口市嘉川4572番地11
e-mail:minamoto3734@yahoo.co.jp
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | 会員紹介

木版画年賀状

img744.jpg
シビルNPO連携プラットフォーム個人正会員 比奈地 信雄


一昨年までCNCP通信の原稿依頼作業をしており、会員の方々の素晴らしい活動報告等に接し、感服しておりました。まさか今回小生に原稿依頼があるとは夢にも思っていませんでしたので大変困惑いたしました。
CNCP通信の作成に携わり、各分野で活躍しておられる会員の方々はさぞ多彩な趣味をお持ちし、楽しんで居られる事だろうと想像しておりました。
出来ればそのような趣味の一端でも記事にしていただければより趣深い通信誌になるのではないかと思っておりました。そこで今回恥も外聞も捨て小生の趣味の一端をお話し、そのきっかけになればと披露する事に致しました。
11月の声を聴くと毎年年賀状が売り出されます。それと同時に私も年賀状を作成しなければと心地よいプレッシャーが襲ってきます。50年以上毎年木版画で年賀状を作っているので年中行事ととらえ楽しみながら取り組んでおります。まず今年はどのような図柄にしようかから始まり、何色で仕上げるか、題字は何にするか、版木の材質の検討、版木に図柄の転写、彫面個所の色づけ、彫刻作業、はがきの湿らし、摺り作業等多数の工程を経て仕上げます。中でも画題の選定には神経を使い苦労しています。よく毎年その年の干支を題材にする人等同じ画題で作成する人が居りますがどうもマンネリになるようでなるべく毎年題材を変えるようにしております。その年に行った旅先で印象に残った景色や話題になった建物、小さい時から親しんでいる芝居や文楽の中でおめでたい場面を題材にしております。ここ数年は瀬谷に住んで40年余りになりますので「瀬谷をふるさとにする会」に参加し瀬谷の名所的な画題を採用しております。平成31年の賀状はこの9月に80歳になりましたので平成最後の年と併せておめでたい「壽三番叟」にしようと思っております。
版画を作成しているときはほとんど何も考えず無我の境地で細心の注意を払って版画刀を動かし、至極の時を過ごすことが出来ます。特に彫る事により版木から発するほのかな香りをかぎ、版木の癖をなだめながら対話しどのように仕上がるかを想像してわくわくしております。また彫り終え最初に摺る時のドキドキ感は毎年不安と期待とが交錯し、何とも言えない達成感が漂います。
この歳まで版画制作が出来る事に幸せを感じると共に何時までも道楽が続けられるように頑張ろうと思っております。

img745.jpg
イタリア バローナ
アリーナの朝

img746.jpg
竹抜き五郎 団十郎

img747.jpg
敦煌壁画

img748.jpg
道成寺
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | その他(随筆的な投稿)

ジェロントロジー

img743.jpg
シビルNPO連携プラットフォーム常務理事
株式会社アイ・エス・エスグループ本社代表取締役
SLIM JAPAN副理事長 中村 裕司


“ジェロントロジー (Gerontology)”という言葉があります。
Gerontとは、「老人」という意味のギリシャ語、-tologyは学問を指し示す接尾辞です。併せてジェロントロジー。これまでは主として医学の見地から、老年学、老人学、加齢学などと訳されてきました。
健康だけでなく、高齢者の福祉や社会参加、メンタルケアや年金問題を範囲とし、医学・社会学・生理学・心理学・経済学・法学・工学・建築学など、多様な見地から高齢者や高齢化について探求することを目的にした学問です。
元々、1903年イリヤ・メチニコフというロシアの免疫学者が言い始めた言葉で、老年の生きがいや社会参加あるいはシニア層の戦力化やシニア顧客層といったビジネス視点からも「老人」を研究対象にしてみてはという発想だそうです。ビジネス視点に沿った分野は、特に「産業老年学」とも名づけられております。
日本においても、桜美林大学院に老年学専攻があるほか、東京大学では「高齢社会綜合研究機構」が2009年から発足しています。東大では『2030年超高齢未来』を想定し、どんな高齢社会を実現することが課題なのかが多面的に研究されています。
「産業老年学」は、老人の生きがい、あるいはアクティブシニアといった健康志向にとどまりません。“高齢者”のための社会工学ではなく、むしろ“高齢社会”のための工学を目指していると言った方が適切だと思います。
ジェロントロジーが「高齢社会工学」に向かうものであるとするならば、それは社会基盤づくりを通じて国土やまちや社会を具体化してきた土木工学の延長線に位置する学問であり、「土木と市民をつなぐ」を標榜するCNCPの旗印からすれば、指向が一致する領域ではないかと考えます。
ジェロントロジー=高齢社会工学の目指す未来は、AIや自動走行を基盤とするモバイル社会かも知れませんし、高齢化する社会に対応したレジリエンス社会かもしれません。また、両者が融合する結果がコンパクトシティの実現を促進するかもしれません。社会が否応なく「高齢化」する以上、高齢社会に即応できる工学の樹立が望まれていく傾向は漸増するに違いありません。
この新しい概念である「高齢社会工学」に挑んでみることも、CNCPの今後の目的にしてみては如何でしょうか。
(中村裕司は、2019年より新任理事を努めさせて頂きます。宜しくお願いします。)
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | その他(随筆的な投稿)

第8回 Civil Engineeringの受容

幕末になって、外国からの新しい知識、概念を翻訳して受容するために多くの和製漢語が作られ、旧来の漢語にも新しい意味が付与された。「建築」は蘭書『日本風俗備考(フィッセル)』を天保年間(1840年頃)に杉田成卿(蘭学医杉田玄白の孫)が「stad(=city) Jedo」を「江戸の建築極めて壮大にして、」と翻訳したのが初出。英語からは文久二年(1862年)『英和対訳袖珍辞書(堀辰之助)』の「Architect, s. 建築術の学者/Architecture, s. 建築学」である。
前回、明治二年(1869年)の「土木司」が「道路橋梁堤防等営作ノ事ヲ専管スルヲ掌ル」として、新政府が「土木」に新しい意味を与えたことを示した。
明治六年(1873年)、工学校のために来日する英国人教師Henry Dyerは、工部大輔山尾庸三の命を受けて岩倉使節団から離脱して同道した二等書記官林董(幕府の英国留学生で英語力は当代一)とともに工学校の組織と講義の計画書である『Imperial College of Engineering, Tokei: Calendar』を作成。翻訳された『工学寮入学式並学課略則(工部省)』の中にCivil Engineeringは「シビルエンジニール 道路橋梁等都テ土木ニ係ル諸術」とされ、明治七年(1874年)『工学寮学課並諸規則(工部省)』で「土木学 道路橋梁ノ経営川港ノ堤防等総テ土木ノ術ヲ云」学課が設置され、学問としての「土木学」が確立した。
(土木学会土木広報センター次長 小松 淳)
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | 人文等

NPO法人・いきいき35

●設立  : 平成21年8月に設立
●設立目的: シニア土木技術者の社会貢献
●メンバー: シニア土木技術者を中心としたメンバーで構成
平成30年4月 会員数 18名
●活動紹介: 1.環境活動を年6〜8回行い社会貢献へのモチベーションを保っている。
2.事業活動についての検討小委員会により、「シニア土木技術者に何ができるか」を主要テーマとして、またその他についても幅広く意見交換をしている。
3.同様な活動を行っている建設系NPO法人へのヒヤリングを行っている。
4.行政機関と年4回程度の協議を行う。ダム管理等についてメンバーの経験を生かした支援ができないか検討を重ねている。
5.民間企業への業務支援などのニーズに対し、ヒヤリングを行っている。

●活動状況: 1.本年度、新規会員1名増員することができた.
2.平成30年7月の西日本豪雨は岡山県、広島県に甚大な被害を及ぼした。報道は大きくされなかったが山口県東部でも甚大な被害を受けた。現在、官民が一体となり早期の災害復旧に取り組んでいるが、山口県においてもここ数年で多くの熟年技術者が退職、離職し後継の若い技術者が育っていないため、今回の災害対応においても技術者不足、技術力不足が露呈するなど、厳しい対応が余儀なくされているとのことです。その手助けとして、我々の活動が役立たないか行政、民間企業に提供できる技術、求められる技術について打ち合わせをお願いしているところです。
3.「技術者不足・省力化」をキーワードに国交省が推進しているICTに取り組んでいる地元企業を山口県産業展で知り、石村理事長と同行し取り組みについてヒヤリングをお願いし今後、機会があれば情報交換等を行う事とした。その後、当該企業の取り組みが新聞報道され今後の事業活動が注目されているところです
4.山口県環境生活部県民生活課による「パートナーシップ会議」に出席するなどし広い目線による幅広い情報収集により、当「いきいき35」の課題である「何ができるか」を今後とも探していきたい。

img706.jpg
総会風景

特定非営利活動法人 いきいき35
理事長 石村 和寿  事務局長・理事 皆本 義典
〒754-0897 山口県山口市嘉川4572番地11
e-mail:minamoto3734@yahoo.co.jp
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | シビルNPOの現況と課題

企画サービス部門

シビルNPO連携プラットフォーム個人正会員
龍井 俊憲


担当常務理事が替わり、新年度がスタートしました。
前年度のサービス提供部門の活動を引き継ぎながら、新たに装いを替え、企画機能を強化することを意図し、改変した企画サービス部門として活動を開始することとなりました。しかし部門長が未だ多用なため、部門活動参加ができない状態が続いています。
活動計画は下記のようなものです。
@定款上の担当事業内容
(1)活動・支援(連携/協働)
(2)情報・交流(活動紹介/組織間協力)
(3)調査・提案/提言(主張/提案・提言)
(4)行事・研修(研修/セミナー)
A部門の活動組織
期首において、これまでの教育研修委員会、NPOファイナンス研究会、インフラメンテ事業化研究会等を以下の組織を再編し、活動を軌道に乗せていきます。
【1】調査・研修委員会
従前は部門内での調整をベースに調査項目や研修内容等を検討、実施してきましたが、今後は連絡調整会議での意見交換に基づきその成果が他部門の活動に寄与することを重要視して、その部門との協働を前提として活動を展開していきます。
【2】インフラメンテ研究会
協働推進部門の活動計画に記載のように、その自治体インフラメンテ研究会がこれに関連する活動の中心となりますが、別組織として独立するインフラメンテ国民会議「市民参画フォーラム」活動の会計を含む事務局的な役割をもって支援、協働することにします。
【3】ひろげる・つなぐワーキンググループ
「土木と市民社会をつなぐ」という視点で、ホームページなどの広報ツールのありかたを、土木専門以外のメンバーを含めたグループワーキング(月1回 6人 学士会館)で検討し、具体化をはかっていきます。

img704.jpg

(2)平成30年度部門活動計画
上述の定款に応じた事業内容ごとの4つの活動計画は下表のとおりです。
本表下部に注記しているように、本部門が上記3つの活動組織で担当する事業内容はゴシックで示す事項で、具体的内容として明朝体で記された事項については連絡調整会議で合意された、事務局を含む5つの組織で分担します。

img705.jpg

準備期間を経て数か月活動を開始していますが、調査研修委員会の具体的な研究会立上げは現在、協議中です。インフラメンテ協働研究会は市民参画フォーラムWG活動支援、ファシリテーター養成講座開催を推進しています。また、ひろげつつなぐワーキングチームは、今のところ具体的な活動に進めていませんが、山本代表を交え、鋭意今後の活動を進めて行きます。
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | シビルNPOの現況と課題

オーストラリアはサラダボール国家

img652.jpg
シビルNPO連携プラットフォーム 理事 世古 一穂


オーストラリア人の5人に一人は海外生まれ。世界130か国からの移住者だ。
白豪主義から多文化主義へと180度の転換を果たしたオーストラリアは、これまでにない
多民族共生の国作りを、進めてきた。
さまざまな民族がどうやって共に暮らすか、政治は?経済は?福祉は?教育は?
移民を、ほとんど受け入れない日本とはまるで違うオーストラリアに大きな関心を持って
旅に臨んだ。
「コスモポリタン都市」とはたんに、民族、エスニシティの多様性だけを、さすのではない。それだけなら米国もそうだろうが、オーストラリア人が誇りにしているのは、かれらが多民族国家づくりにおいて民族の共生を、めざした国づくりを大きな社会的混乱なしに着実に成果をあげていることである。
●異質の他者の排除から共生へ、
180度の、政策転換の成功の秘訣として挙げられるのが、「多文化主義」だという。この新政策のもとでは、すべてのオーストラリア人がそれぞれの言語、文化、宗教などを維持しながら、人種、民族、性の違いに関わりなく平等な市民として国の発展に貢献する権利を保障されているのだ。
同化主義に基づく米国とは大きな違いである。
とはいえ、白豪主義から多文化主義への政策転換か、そのまま国民の意識改革につながるわけではない。
新しいオーストラリア国家像を織り上げていこうとする試みはまだ実験段階といってもよいのかもしれない。

img653.jpg
アボリジニの男性の街頭での演奏

●それに対して日本はどうか?
日本の指導者たちの発言の裏にあるのは、日本民族と文化の優越性神話ではないだろうか?日本人のいう「国際化」とは日本を世界のようにするのではなく、経済とテクノロジーを武器にした世界の日本化ではないだろうか?
移民問題、難民問題にしても、その受け入れ枠はすこしずつ拡大されたものの、消極的な基本姿勢はいまだに変わっていない。
私たち日本人がオーストラリアから学ぶべきことは多々あるが、私は多文化主義の本質をこの国から深く学ぶことが、少子高齢化が課題となっている日本にとってもっとも大切なことだと思った。
私たちが訪れたジャカランダの満開の季節はオーストラリアが一番美しい季節だと聞いた。
ジャカランダは多文化共生の象徴とも言えるのでないだろうか?

img654.jpg
満開のジャカランダ
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | 国際化等

JFMA公共インフラマネジメント連続シンポジウム報告(1)

img363.jpg
特非)社会基盤ライフサイクルマネジメント研究会(SLIM Japan)
                    副理事長 鈴木 泉


“第1回平成30年9月15日(土)、第2回10月13日(土)と、主催JFMA公共タスクフォース主催、SLIM Japan(講師、パネリスト)、インフラメンテナンス国民会議市民参画フォーラム協力による公共インフラマネジメント連続シンポジウムが開催された。このシンポジウムは、自治体に関係する皆様にとって公共施設等総合管理計画を実行に移す際に参考となる知識や情報を取得できる勉強会である。実際に現場を経験された講師による講演と、続いてパネルディスカッション、会場とのトークセッションを行う全員参加型での連続4回のシンポジウムで、今回は、前半2回の開催報告をする。
第1回は、「市民協働の公共インフラメンテナンスとは」をテーマとして、まず、蟲明眞一郎氏(元京都市役技術吏員、SLIM Japan理事)より「住民主体の街づくり」のタイトルで基調講演、続いて世古一穂氏(特定非営利活動法人NPO研修・情報センター代表理事)、小林達也氏(NPO法人長野NPOセンター)田子裕子氏(インフラメンテナンス国民会議、大日本印刷株式会社)の3人のパネリストを加え、コーディネーター鈴木泉(SLIM Japan副理事長)の進行でパネルディスカッションを行った。

img364.jpg
第1回パネリスト紹介

基調講演では、1、「まちづくり」は地域社会づくりと「街づくり」は都市基盤施設づくりと分けて使うことが大事。2、住民主体で考え、白紙から始めて住民の手で運営するなど、合意形成手法としてのいくつかの成功ポイントを強調された。パネルディスカッションでは、「インフラメンテナンスの分野に市民協働をどう進めれば良いか」にフォーカスした。世古氏からは、市民協働の本質として気仙沼の街づくりの成功事例が上げられた。「市民参加の街づくり」から、「震災復興の街づくり」に変わり、この先100年繋がっていく人(街づくりコーディネーター)を一緒に育てた。小林氏からは、長野市では、32の住民自治協議会のワークショップに予算を付けて市民の意見を聞いている。「住民に当事者意識を持つきっかけにはなったが、白紙から未来を語るという形ではなかった」の意見。田子氏からは、自社の持つ技術を社会インフラの老朽化に役立てたいとして国民会議に異業種参画し、インフラを知らない人たちに、知ってもらうイベント開催等の取組みをしているなど国民会議について紹介、続いて「現状の問題点、課題は何か」の議論となった。

img365.jpg
会場とのトークセッション

焦点としての「インフラメンテナンスをどう進めるか」の議論では。田子氏より、「市民をやらされ感なく愛着心やモチベーションを上げられるような活動をしていきたい」、小林氏からは、「長野市を担う若者に、交流会等を企画し町歩きワークショップを行った。愛着が湧いたなど好評だった」、世古氏からは、「ボランティアとしてみんなで掃除、点検作業だけで終わっていては、市民協働は進まない」との意見。会場からは、「どうやって市民を振り向かせたら良いか」「自治会の活動は盛んだが、もっと行政との接点が必要と気付いた」、「建設・点検に携ってきたが、今まで市民協働を考えたことがなかった」など多数の意見があった。今回のシンポジウムでは、市民協働の本質の考え方を、実体験に基づく知識と情報を共有しながら、「インフラメンテナンス分野にどう進めることができるか」、参加者全員で本音の意見交換が出来たことが大きな成果となった。
第2回目シンポジウムでは、地方を知る「地方の公共インフラの現状と課題」をテーマとして、山中鷹志氏(元日本道路公団、SLIM Japan理事)より多くの現場経験から現状を見るという視点で「徒歩で川を遡行し橋の現況を診る」のタイトルで基調講演、続いて前線の施設管理者から中谷孔右氏(静岡県田子の浦港湾事務所所長)、澤健男氏(元国交省)、市民の目線で山崎エリナ氏(世界を旅する写真家)の3人のパネリストを加えパネルディスカッションを行った。

img366.jpg
第2回基調講演

講演では、退職後、健康のための河川ウォーキングにスキルを活かして独自の視点から橋の現況調査を始めたこと、約10年間歩いた実績から地域インフラの現状を語った。5年毎の近接目視調査をすべしとの声を聴いてから、再び歩き同じ橋を前回と比較してみた。はたして全橋を5年毎に近接目視する必要はあるのかと実感した。続いてパネルディスカッションでは、中谷氏より、静岡県の土木関係の予算推移から管理者、管理体制の状況を話題提供、道路予算に占める維持補修は10年前の2倍。人口の少ない市町村は、管理施設数あたりの技術者数が少ない。若い技術者は、ほとんどデスクワークで現場を知らないなどの多くの課題が上げられた。澤氏からは、前線の維持管理の経験から、自然災害リスクの増大で本来の維持管理予算が少なく、予防保全に影響あること、一方では、メンテナンスには費用が掛かることを社会が認知するような努力が足りないことなど、技術者の意識に関する問題点も強調された。山崎氏は、写真家としてなぜインフラメンテナンス写真展を開催したか、「インフラを陰で支えてくれている人がいる。この仕事を多くの一般の市民の方に特に若者にこの感動を強く伝えたいと思った」と語った。「何が問題か、何に変えるか、望ましい状態にどう変えるか」と具体的議論となった。
会場の意見:「現状予算でどこまで出来るのか、本来目指す予算はいくらなのかオモテに出てこない。」「世論形成、情報開示が足りない」「市民にきちんと説明すれば理解する素地は整っていると感じる」「公共施設等総合管理計画は作ったが、市民に伝わっていないと反省した。」など、幅広い多くの意見が出た。第2回目のシンポジウムは、地方の土木インフラに関わる現状をいろいろな視点で前線の本音を知り議論、望ましい状態を共有出来たことに大きな意味があったと思う。
今後の後半の連続シンポジウムでは、より向上性のある解決策の議論に期待したい。尚、SLIM Japanは、このようなコンパクトなシンポジウム、出前セミナー勉強会での講師、パネリスト派遣含めた最適な企画を事業として活動していく予定です。

img367.jpg
パネルディスカッション
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | インフラメンテナンス

空の上で思ったこと

img361.jpg
シビルNPO連携プラットフォーム理事
(一社)建設コンサルタンツ協会 顧問 酒井 利夫


先日札幌に出張する機会があった。羽田を離陸すると窓から見える景色は、臨海の工場地帯、ディズニーランド、都心部や幹線道路沿いの高層ビル群、そのまわりを隙間無く密集する住宅群と次々に流れて行き、さらに、市街地を縦横に連絡する道路網、河川や遊水地、集落や田畑がパッチワークの様に緑濃い山林ぎりぎりまで広がる。一見のどかで平和に見える風景が眼下を流れて行く。インフラも外見上は特段問題があるようには見えない。しかしそうだろうか?
今年は風水害、地震など例年になく災害が頻発し、特に雨の降り方も異常でその被害も激甚化している。「災害は日本中どこでも起こりうる」ということを、多くの国民が実感した。このように激甚化する災害に対して「今あるインフラは本当に大丈夫なのか」という懸念とともに、人間社会を支えるハードソフトの様々なインフラシステムが、いざという時にうまく機能しないのではないかと心配になってくる。
さらに、インフラそのものの「老朽化」が顕在化しつつある。日頃からしっかりと手当てしつつ、適切に更新して行くことが必要なはずであるが、一度作ったらそれで「以上終わり!」と思い込んでいた(?)この日本で、国や各管理者が遅ればせながらキチンと対応し始めていることを期待したいが、大丈夫だろうか。
この心配は公共的な施設だけでは無い。個人レベルの住宅やマンションでも、同じだ。住まいも適切な更新や世代交代がないと、いわゆる「空家問題」や「マンションのスラム化問題」もいよいよ「現実問題」となってきた。最近私自身、実家の現状を改めて認識し、この問題を他人事では無く、自らの問題として痛感しているところである。
生命体は、多少の破損は自ら修復できるが、それでも寿命はある。ましてや無機物はその劣化は不可逆的かつ加速度的に進行する。人間が適切に手を入れつつ寿命を伸ばしながらも、その更新をしっかりと考えないとどうなってしまうのであろうか。それも「いわゆるハード」だけでは無く、社会全体を支えるシステム全体も昔のままでいい訳ではあるまい。 我々の世代で日本が終わるならともかく、これからもこの日本で我々の子孫が引続き暮らして行くのであれば、社会のハード及びソフトのシステムも「常に更新・進化させていくことが当たり前」、そしてそのことは「今生きている世代の責務」ということを常識とすべきではないか。もはや思考停止していることはできない。

img362.jpg
機内から筆者が撮影したもの

そのような思いを巡らしていたら、気づけば北海道胆振付近上空だった。
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | インフラメンテナンス

〜JFMA公共インフラマネジメント連続シンポジウム報告(1)〜

img262.jpg
特非)社会基盤ライフサイクルマネジメント研究会(SLIM Japan)
                    副理事長 鈴木 泉


“第1回平成30年9月15日(土)、第2回10月13日(土)と、主催JFMA公共タスクフォース主催、SLIM Japan(講師、パネリスト)、インフラメンテナンス国民会議市民参画フォーラム協力による公共インフラマネジメント連続シンポジウムが開催された。このシンポジウムは、自治体に関係する皆様にとって公共施設等総合管理計画を実行に移す際に参考となる知識や情報を取得できる勉強会である。実際に現場を経験された講師による講演と、続いてパネルディスカッション、会場とのトークセッションを行う全員参加型での連続4回のシンポジウムで、今回は、前半2回の開催報告をする。
第1回は、「市民協働の公共インフラメンテナンスとは」をテーマとして、まず、蟲明眞一郎氏(元京都市役技術吏員、SLIM Japan理事)より「住民主体の街づくり」のタイトルで基調講演、続いて世古一穂氏(特定非営利活動法人NPO研修・情報センター代表理事)、小林達也氏(NPO法人長野NPOセンター)田子裕子氏(インフラメンテナンス国民会議、大日本印刷株式会社)の3人のパネリストを加え、コーディネーター鈴木泉(SLIM Japan副理事長)の進行でパネルディスカッションを行った。

img263.jpg
第1回パネリスト紹介

基調講演では、1、「まちづくり」は地域社会づくりと「街づくり」は都市基盤施設づくりと分けて使うことが大事。2、住民主体で考え、白紙から始めて住民の手で運営するなど、合意形成手法としてのいくつかの成功ポイントを強調された。パネルディスカッションでは、「インフラメンテナンスの分野に市民協働をどう進めれば良いか」にフォーカスした。世古氏からは、市民協働の本質として気仙沼の街づくりの成功事例が上げられた。「市民参加の街づくり」から、「震災復興の街づくり」に変わり、この先100年繋がっていく人(街づくりコーディネーター)を一緒に育てた。小林氏からは、長野市では、32の住民自治協議会のワークショップに予算を付けて市民の意見を聞いている。「住民に当事者意識を持つきっかけにはなったが、白紙から未来を語るという形ではなかった」の意見。田子氏からは、自社の持つ技術を社会インフラの老朽化に役立てたいとして国民会議に異業種参画し、インフラを知らない人たちに、知ってもらうイベント開催等の取組みをしているなど国民会議について紹介、続いて「現状の問題点、課題は何か」の議論となった。

img264.jpg
会場とのトークセッション

焦点としての「インフラメンテナンスをどう進めるか」の議論では。田子氏より、「市民をやらされ感なく愛着心やモチベーションを上げられるような活動をしていきたい」、小林氏からは、「長野市を担う若者に、交流会等を企画し町歩きワークショップを行った。愛着が湧いたなど好評だった」、世古氏からは、「ボランティアとしてみんなで掃除、点検作業だけで終わっていては、市民協働は進まない」との意見。会場からは、「どうやって市民を振り向かせたら良いか」「自治会の活動は盛んだが、もっと行政との接点が必要と気付いた」、「建設・点検に携ってきたが、今まで市民協働を考えたことがなかった」など多数の意見があった。今回のシンポジウムでは、市民協働の本質の考え方を、実体験に基づく知識と情報を共有しながら、「インフラメンテナンス分野にどう進めることができるか」、参加者全員で本音の意見交換が出来たことが大きな成果となった。

img265.jpg
第2回基調講演

第2回目シンポジウムでは、地方を知る「地方の公共インフラの現状と課題」をテーマとして、山中鷹志氏(元日本道路公団、SLIM Japan理事)より多くの現場経験から現状を見るという視点で「徒歩で川を遡行し橋の現況を診る」のタイトルで基調講演、続いて前線の施設管理者から中谷孔右氏(静岡県田子の浦港湾事務所所長)、澤健男氏(元国交省)、市民の目線で山崎エリナ氏(世界を旅する写真家)の3人のパネリストを加えパネルディスカッションを行った。
講演では、退職後、健康のための河川ウォーキングにスキルを活かして独自の視点から橋の現況調査を始めたこと、約10年間歩いた実績から地域インフラの現状を語った。5年毎の近接目視調査をすべしとの声を聴いてから、再び歩き同じ橋を前回と比較してみた。はたして全橋を5年毎に近接目視する必要はあるのかと実感した。続いてパネルディスカッションでは、中谷氏より、静岡県の土木関係の予算推移から管理者、管理体制の状況を話題提供、道路予算に占める維持補修は10年前の2倍。人口の少ない市町村は、管理施設数あたりの技術者数が少ない。若い技術者は、ほとんどデスクワークで現場を知らないなどの多くの課題が上げられた。澤氏からは、前線の維持管理の経験から、自然災害リスクの増大で本来の維持管理予算が少なく、予防保全に影響あること、一方では、メンテナンスには費用が掛かることを社会が認知するような努力が足りないことなど、技術者の意識に関する問題点も強調された。山崎氏は、写真家としてなぜインフラメンテナンス写真展を開催したか、「インフラを陰で支えてくれている人がいる。この仕事を多くの一般の市民の方に特に若者にこの感動を強く伝えたいと思った」と語った。「何が問題か、何に変えるか、望ましい状態にどう変えるか」と具体的議論となった。
会場の意見:「現状予算でどこまで出来るのか、本来目指す予算はいくらなのかオモテに出てこない。」「世論形成、情報開示が足りない」「市民にきちんと説明すれば理解する素地は整っていると感じる」「公共施設等総合管理計画は作ったが、市民に伝わっていないと反省した。」など、幅広い多くの意見が出た。第2回目のシンポジウムは、地方の土木インフラに関わる現状をいろいろな視点で前線の本音を知り議論、望ましい状態を共有出来たことに大きな意味があったと思う。
今後の後半の連続シンポジウムでは、より向上性のある解決策の議論に期待したい。尚、SLIM Japanは、このようなコンパクトなシンポジウム、出前セミナー勉強会での講師、パネリスト派遣含めた最適な企画を事業として活動していく予定です。

img266.jpg
パネルディスカッション
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | 地域社会等