2019年06月11日

「CNCP通信」発刊5年間の記事を総括して

正会員、企画サービス部門CNCP通信担当 有岡 正樹


2014年3月にシビルNPO連携プラットフォーム(CNCP)が設立されて、早いもので本年4月で丸5年の月日が流れた。この間Vol.39、Vol.51でそれぞれの当時の状況を報告してきた。こうしたコミュニティ紙は時の流れとともにその内容や記載分野の変容も生じてくるので、これまでの60号を総括して若干の分析を加え、今後とも積みあがっていく折々の情報が有用に反映されればと整理してみた。

1.投稿分野の変革
 本年1月より、CNCPホームページや会員用アーカイブ検索システムのもとになる新項目とそのキーワード(タグ)を右表のように追加、変更した。ただし、それまでの投稿原稿ごとの再配分は行っていない。
2.投稿数と項目別仕分け
 これまで60回の投稿総数は424編で、月当たり平均投稿数は7編である。ただ、前半の40回では月平均6編であるのが、後半の20回では平均9.5編と1.6倍に増えている。

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3.項目ごとの原稿内容分布
 下表のようにa.〜i.の9項目に分けられるが、このうち「g.シビルNPO の現況と課題」と「e.地域社会等」の2項目で44%を占めている。項目仕分けした投稿文の累計は545編で、ある項目に仕分けされた投稿文が、他の項目でもカウントされることが、4件に1件はあるということになる。このようにしてアーカイブ化された投稿文のpdfバージョン(例えばインフラメンテでは61編)がまとめて検索、アウトプットできるようになっている。

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タグ:歴史 地理 人文
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うなぎ持続可能ゲームのスポンサーを募集しています!

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シビルNPO連携プラットフォームうなぎ完全養殖インフラ整備事業研究会
うなぎ持続可能プロジェクトSEFI  代表 三井元子/副代表 小重忠司


うなぎ完全養殖インフラ整備事業研究会では、うなぎの持続可能社会を目指し、昨年4月から「うなぎ持続可能プロジェクトSEFI(Sustainable Eel Farming Infrastructure)」として一般向けに情報発信を始めています。その一環で、この度、スマートフォン向けゲームを開発することにしました。
ゲームの開発目的は、“うなぎを守りながら食文化を絶やさない世の中にしたい”をキーワードに、絶滅危惧種に指定されている「うなぎ」の現状をもっと知ってもらい、国内のみならず世界のうなぎの持続可能社会を目指すこと。また、うなぎを守るための「川づくり」を通し、土木技術の啓発と教育を目指すことです。
ゲームの仮タイトルは『うなぎ組 河川工事承ります』とし、例えば、下記のようなゲームステージを想定しています。
◎うなぎの成長を守る「川づくり」‥‥‥海から渡ってきた稚魚が河口に入り、川の上流を目指すものの、ダムや堰、落差工など河川構造物が邪魔をしている。また、10年近く川で育ったうなぎが産卵のため海に下る際に護岸整備が妨げになっている場合がある。魚道や石倉カゴの設置などを行い、治水・利水の機能を持たせながら、うなぎが生息・成長できる川づくりを行う。
◎うなぎが捕食する生物が住める「川づくり」‥‥‥川の王様であるうなぎが育つためには、エサとなる多くの水生生物が必要。蛇行部保全、自然な水際を創出、ワンドの保全・再生、湿地の保全・再生など、生物多様性に対応した川づくりを行う。

一般的に分かりにくい「多自然川づくり」という題材を、ゲームデザイン要素やゲームの原則をゲーム以外の物事に応用する「ゲーミフィケーション」という概念でリアルに体験させるようにします。
また、「うなぎ」を主役に据えてストーリー性を持たせることにより、「シンプルなルール(目標)」「ランキング(競争)」「バッジ(報酬)」などを使いながら、以下の4つ側面、
1.「Attention(注意:面白そうだ)」
2.「Relevance(関連性:やりがいがありそうだ)」
3.「Confidence(自信:やればできそうだ)」
4.「Satisfaction(満足:やってよかった)」
を満たすことで、多自然川づくりを魅力的な内容にしてユーザーの意欲を高めていきます。
ゲーム製作は、娯楽と教育を兼ねたエデュテインメントゲーム『畑っぴ』で有名な(株)エルディに依頼します。『畑っぴ』とは、農家の方々に監修された本格的な農作業ゲームで、ゲームで収穫した作物が農家から直接自宅に配送されるので、実際に農地を持たずとも新鮮で美味しい作物を堪能できるのです。現在、ユーザー数は10万人以上となっています。
開発第一弾として、埼玉県を流れる「荒川」をゲームステージに設定し、浦和のうなぎ文化も紹介できるよう、ゲーム達成による獲得品は「浦和のうなぎを食する権利」、「蒲焼の冷凍」、「SEFIグッズ」などを想定しています。また、ゲームユーザーがリアルに体験できる場所として、国交省が推進する「多自然川づくり」、「ミズベリング」などのイベントとも連携したいと考えています。
このゲームのサービス開始を2020年東京オリンピック開催前に設定し、SEFIでは現在、スポンサー企業を募集しております。詳細は、SEFI事務局(さいたま市浦和区/電話048-628-4988/info@sefi.jp)、担当:小重までお問い合わせくださいますようお願いいたします。

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●プロローグでは、うなぎの誕生からシラスウナギになるまでを映像を交えながら解説する予定です。また、ゲームの監修には、“世界のうなぎ博士”塚本勝巳教授に加わっていただきます。

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タグ:歴史 地理 人文
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第14回 「土木」を運ぶ

明治の初め、漢語が多用されるようになって漢語辞書が多数出版された。第7回で、慶應四年(1868年)官版『新令字解』に 「土木 トボク フシンヲスルコト」とある、と書いた。同時期の『日誌必用御布令字引』には「土木(ドボク)ヲ運(ハコブ) フシヲスルコト」とある。この「土木」は見出し語にカナが含まれる例外的な記述で、かつ説明の「フシン」の「ン」が脱字しているのか、「ヲ」が誤植か、疑わしいこともあって、信頼のおけるものか疑問に思っていた。このほか、同書中に「フシン」ということばは「脩城(シウジヤウ) シロヲフシンスル」「造營(ザウエイ) フシンスルコト」の説明文に出てくる。
改めて「運土木」を調べてみると、日本でもよく読まれた編年体の中国通志『資治通鑑』(1084年、司馬光)に「李希烈攻李勉於汴州、驅民運土木、築壘道、以攻城。忿其未就、幷人填之、謂之濕薪。(李希烈、李勉を汴州に攻め、民を驅りて土木を運び、壘道を築かしめ、以て城を攻む。その未だ就らざるをいかり、人をあはせて之をうづめ、之を濕薪といふ。)」とあった。唐の十二代皇帝徳宗(779〜805年在位)の建中四年(783年)に起こった李希烈の反乱にて、李希烈が百姓を土塁づくりに駆り立てては殺すという残虐な記述である。
同様の記述は正史の『舊唐書』(945年、劉昫)に「其攻汴州、驅百姓、令運木土築壘道、又怒其未就、乃驅以填之、謂之濕梢」とあり、ここでは、「土木」が「木土」となっていて、これも「土と木」の用例であることがわかる。
〈参考〉資治通鑑(1929、国民文庫刊行会)、舊唐書(1975、中華書局)
(土木学会土木広報センター次長 小松 淳)
タグ:歴史 地理 人文
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