シビルNPO連携プラットフォーム常務理事 協働推進部門担当
日本ファシリティーマネジメント協会 インフラマネジメント研究部会副会長
インフラメンテナンス国民会議 市民参画フォーラムリーダー
アイセイ(株) 代表取締役 岩佐 宏一

日本ファシリティーマネジメント協会 インフラマネジメント研究部会副会長
インフラメンテナンス国民会議 市民参画フォーラムリーダー
アイセイ(株) 代表取締役 岩佐 宏一

想像してください。
●毎日通る橋が通行できなくなったら。
●道路がボコボコで車や自転車の運転が難しい。歩くのもままならない。
●雨水ますや側溝がなく、雨が降るたびに水がたまる。家が浸水してしまう。
●ひねれば出るはずの水が出ない!
●道路標識の柱が腐食してあちこちで倒れている。。。
当たり前に使用している公共施設は、社会生活の中でもっとも欠かせないものですが、ヒトが作ったものであることから何もしなければ簡単に壊れてしまいます。さらに便利で快適な社会生活を送るうえでは、社会基盤となる公共施設が安定して安全に使用できなくてはなりません。しかしながら高度成長期に建てられた多くの施設は作られてから50年を迎えようとしており、今まさに維持するための多くの費用が必要となるといった課題がクローズアップされております。
■通行制限の橋梁数 全国1,381橋(2014年調べ)
通行制限のある1,381橋の内、橋齢50年以上 645橋(47%)
■管路施設に起因する道路の陥没件数 全国約3,300箇所(2015年調べ)
■水道管破損事故 約25,000件(2016年調べ)


■自然災害による床上浸水棟数 全国5,632棟(2017年調べ)
■土砂災害(地すべり、がけ崩れ等) 全国1,514件(2017年調べ)
ご存じでしょうか?
被害の大きさはともかく、日本全国で1年間に発生している被害件数です。発生原因は自らが年数と共に環境等の要因によって変化する老朽化、外からの大きな力によって引き起こされる自然災害がほとんどとなりますが、いかに災害が身近に起こっているかということを。
では何もせずに被害が出るまで待つ?わたしの周辺では聞いたことがないので、他所のことだから他人事?税金を払っているんだからしっかり管理してよ!
いくら危機感があってもどうすればいいのかわからなければ、結局のところだれかに委ねるしかないのが行き詰まるところだと思います。
例えば、自分の子の通学路に倒れそうな標識やブロック塀があれば直ぐ施設管理者へ連絡を取るでしょう。家の前の排水ますに詰まりがあり、水たまりができてしまうようであれば自身で詰まりをとったり、詰まらないように清掃をしたりすると思います。
何かきっかけがあれば参加してもいいと感じているひとは思いのほか多くいることに驚きました。下記のアンケート結果は国土交通白書2016に記載された「インフラ維持管理への住民参加意識」です。


私たちの生活や経済活動に密接に関わるインフラ施設を後世に引き継ぐためにも、市民と協働で活動する必要があります。最後に「市民の参加意識を行動へ導くために」どうすればいいか。
★市民にインフラの現状を伝える
(老朽化の現状、維持管理費用について)
★市民が参画する機会を設ける
(インフラメンテナンス国民会議への参加、地域の取組)
★市民に何をしてほしいかを伝える
(日常的にできることを伝える)
現状、受動的な立場が主体な公共から、能動的活動となる公共へシフトすることが、本来の公共との関わり方であるように思います。みなさま一緒に活動しましょう