団塊の世代が75歳を迎える5年後には、首都圏で大量に高齢者難民が発生すると言われている。そこでCNCPの事業部門に「南房総CCRC研究会」を立ち上げた。今年はその研究会の3年目を迎えている。今年度は過去2年間の研究成果を如何に実践の取組みに結び付けるかが課題だ。
南房総に着目したのは首都圏で土地も安く豊かな自然に恵まれた地に元気な高齢者が「生涯活躍できるまち」で老齢期を、生きがいを持って過ごせる場として考えた。南房総CCRCはオリジナルの「生涯活躍のまち」構想の日本版CCRC「Council on Comfortable & Recreative Community」の意味から、当会では、Countryside & City Reconstruct Community」と翻訳し、地域と都市のコミュニティの再構築と位置付けた。
当初は、廃業したゴルフ場の再生としてここに関連施設を建築しゴルフなどを楽しみながら過ごすといったイメージを描いたが、千葉のゴルフ場は意外と健在でそのよう場所は見つからなかった。そこで、バブル期にリゾー住宅地として開発された御宿や勝浦のリゾート住宅地を訪れ現状を視察した。これらは超郊外別荘型住宅地と考えられ、二地域居住や定住地として居住している高齢者もおられる。東急リゾート勝浦(1990年東急不動産滑J発分譲地、720戸200ha、ゴルフ場が隣接)、ミレーニア勝浦(1992年三井不動産滑J発分譲地、939区画105ha)、御宿台グリーンタウン(1988年西武不動産滑J発分譲地、1,500区画167ha)、大原西部グリーンタウン(1981年西武不動産滑J発分譲地、937区画227ha、ゴルフ場隣接)がある。この他に視察したのは、季美の森(1994年東急不動産梶E潟Gルカクエイが開発分譲、1855区画約200ha、ゴルフ場併設)の住宅地だ。ここは東金市と大網白里市にまたがっている。都市型団地で千葉市や都内への高速バスも運行している。
一般に南房総というと地元では、館山市、南房総市、勝浦市のエリアを指すが、当会の認識としては広く房総半島全域を視野に入れている。
今回の台風15号、19号、21号で強風による長期停電、水害など房総半島は未曽有の災害に見舞われた。しかし、先日、会のメンバーによる南房総一泊二日の視察で分かったことは、この地域は海の幸山の幸に恵まれた温暖で豊かな地域だということだ。南房総市では2地域居住や観光などで何らかの形で地域と交流した人を「関係人口」ととらえ地域の活性化の呼び水として期待を寄せている。
今後、これらの取組みをベースに高齢化社会の住みやすさを求める会「Council on Comfortable & Recreative Community」は地域との連携のもと地域の活性化と高齢者が快適に暮らせる街を目指したい。 以上
