2019年12月01日

第20回 国語辞典の「土木」の用例

国語辞典の「用例」とは、『大辞林』に“用いられている例。用い方の例。「近松に−のある語」「−をあげて説明する」”とある。「土木」の代表的用例は何だろうか。まず、「土と木」の「用いられている例」を現代に近い時代に探した。
幕末から明治に活躍した福沢諭吉には多くの著作があり、慶應義塾大学の『デジタルで読む福澤諭吉』で全119冊の全文が検索できる。福澤諭吉が初めて使った「土木」は、翻訳本『兵士懐中便覧』(1868)「第三砦を築くに土方の人数十分にして且土木も沢山なれば本式に築造す可きなれども」で、「建設材料」としての「土と木」であった。西洋文明の紹介書『西洋事情二編巻之一』(1870)「物を費し随て新に物を生ずるに当り、土木を費して家を生じ、米を費して酒を生ずるの類なり。」は「建築材料」の「土と木」を表している。
次に「インフラを造る」「土木」の用例は、『日本国語大辞典第二版』(2001)に“青春〔1905〜06〕〈小栗風葉〉春・七「何か土木の事から県民の大反対を受けたので、其れを見切時に官途を退いて」”とあるが、内村鑑三の講演『後世への最大遺物』(1894)の「ドウ云ふ事業が一番誰にも解るかと云ふと、土木的の事業です。私は土木者ではありませぬけれども、土木事業を見ることが非常に好きで、始終それがありますと注意して見て居ります。けれども一の此土木事業を遺すと云ふことは、實に我々に取つても快樂であるし、又永遠の喜と、富とを後世に残す所のものじやないかと思ひます。」はどうだろうか。なお、この初出の一節、後の岩波文庫や青空文庫所収の版とは異なっている。
(土木学会土木広報センター次長 小松 淳)
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SNS勉強会にかかわって感じたこと

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シビルNPO連携プラットフォームサポーター/土木学会連携部門
土木学会 教育企画人材育成委員会 シビルNPO推進小委員会 幹事長
株式会社プレック研究所 柴田 勝史


■はじめに
2019年4月、CNCPの「SNS勉強会」に話題提供者の1人として参加し、シビルNPO推進小委員会Facabookページの紹介などをさせていただきました。この経験もふまえ、感じていることなどを寄稿します。

■市民はどこから情報を得ているか?
情報通信白書によれば、わが国のインターネットの普及率(個人利用率)は約80%だそうで、インターネットは身近に存在する<インフラ>です。インターネットは、テレビや新聞と異なり、一方通行の情報発信のみではなく双方向の情報交流が可能であり、スポンサーへの忖度(?)も不要で自由なコンテンツが発信可能であることが特徴です。

■CNCP会員はインターネットという<インフラ>を使いこなしているか?
CNCPは「土木と市民社会をつなぐ」を活動目標の1つに掲げていますが、「つなぐ」ためにはこのインターネットやSNSなどの<インフラ>を使いこなす必要があります。しかし、CNCP会員(個人・団体)は、これらをどれほど活用しているでしょうか。ホームページをもっていても更新が少なかったり、SNSアカウントをもっていなかったりする会員が多いかもしれません。

■「市民社会」から見える存在になれ
インターネットやSNSに接続していないと、「市民社会」から見えない存在となってしまいます。例えば、SNS勉強会の企画段階では「こんな誰でもできることをわざわざCNCPでやるの??」という声もありました。普段からSNSを使いこなす人にとってはそう思えるのです。このネット/非ネットの断絶を、個人レベルで克服することが求められています。

■何を発信すべきか?
土木の人にはマジメな人が多いと言われますが、ここは「べきか」などと堅苦しく考えず、自由な立場から発信したいことを軽い気持ちで積極的に発信し、「いいね!」と感じれば、絡んでみればよいのです。小委員会のFacebookページ(ぜひフォローお願いします!)も、そのような観点で長く続けることを1つの目標としています。

■自らの経験こそコンテンツ
インターネット検索では、同じ情報源と思われる似たようなコンテンツがたくさんヒットすることもあります。一方で、CNCPや学会の集まりで、ベテラン技術者の話を聞く機会(酒の席を含めて)がありますが、面白くて勉強になる話が多いです。どれも理屈やマニュアルのみでは語ることができない、苦労や経験に裏打ちされた独自のストーリー性をもつ、魅力あるコンテンツといってもいいと思います。

■実践あるのみ!
SNS勉強会では、実践編としてFacebookアカウントの取得や投稿もやりました。アカウントを初めてとった方もおられ、それなりに面白がっていただけたように思います。CNCP会員の皆さんには、引き続きインターネットやSNSに親しみ、「土木と市民社会をつなぐ」一助を担っていただけると心強いかぎりです。

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令和元年度の企画サービス部門の課題と取り組み方策

シビルNPO連携プラットフォーム常務理事 企画サービス部門担当
中村 裕司


今年度の企画サービス部門の最大にして唯一の課題は、「財源の確保」だと考えております。創設以来5年、発足時には山本代表理事のお力を得て、主に法人賛助会員からの会費を中心財源として活動をしてまいりました。その後、法人賛助会員の数は発足時の33団体から30団体(2019年8月1日現在)に減少しております。
財源の確保のためには、会費収入を主とするこれまでの考えから脱却し、CNCPが独自発信する情報サービスに対して研究費、開発費あるいは購読料金等を供出してくださる産・官・学を募ることが大切です。それに値する企画の実施が必要です。
そのためにはオンライン・オフライン双方でサブスクリプション・ビジネスを展開していくことが大切ではないかと思っております。いくつか思いつくままに、以下に現実的な事例を挙げてみます。

1. CNCPサロンの有料化と一般公開(有料に値する内容が望まれる、母数の拡大)
2. CNCP通信の有料化と普及活動(有料に値する内容が望まれる、母数の拡大)
3. CNCPが企画する内外の先端的情報の収集調査活動とデータベース構築
4. CNCPが主宰し、会員を募るインフラ最前線研究の事業化研究会

以上に掲げた事例は、どれをとっても企画・サービス部門がまず「コト興し」を展開すべき事例だと考えています。またCNCP単独で立案から実行までできるというよりは、学際的な研究機関や団体と連携を重ねながら、“土木NEXT”もしくは”インフラNEXT“を標榜しつつ実現に向けていくものだと思っております。
以上を念頭に、企画サービス部門はCNCPの知恵が財源確保につながる活動を推進して参ります。
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