2019年12月01日

サブスク・ビジネス

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シビルNPO連携プラットフォーム常務理事 企画サービス部門担当
SLIM Japan理事長、(株)アイ・エス・エスグループ代表取締役
中村 裕司


D.アトキンソンさんの近著『国運の分岐点』には、示唆に富んだいくつかの数字が並んでいる。少し羅列して紹介したい。数字の根拠に興味がある方は同著に立ち返ってお読みいただきたい。
1.日本の生産性は、1990年には世界第9位であったが、2019年には第28位にまで下がっている。
2.上場企業の時価総額ランキングでは、1989年には上位50社のうち32社が日本企業であった。しかも1位から5位はすべて日本企業であった。これに対して、2018年で50社以内に入っている日本企業は僅か1社。それも35位である。
3.米国の人口は1990年の2.4億人から2018年には3.3億人に増加している(約1.4倍)。同じ期間の日本の人口は1.26億人から1.25億人に減少している(99%)。
4.1998年〜2018年の20年間で、先進国平均の賃金は1.8倍に増加したが、日本の賃金は9%下落した。
5.企業が社員教育に掛ける金額は、米国が年間44兆円であるのに対し、日本は5,000億円でしかない。
6.年間労働時間を2,000時間とした場合、日本人一人が負担する1時間当たりの社会保障額は、
 ・2020年:824円
 ・2030年:1,137円
 ・2040年:1,642円

と増え続ける。参考までに、2019年10月1日発効の東京都の最低賃金は1,013円、全国の加重平均は901円である。
以上は、日本がなぜ生産性が低い国であるかを示す指標の一端である。このまま低賃金が続くと日本の生産性はますます低下するというのがアトキンソンさんの主張である。
私たち日本人は、けっこう効率よく仕事をさばき、付加価値の高い仕事を継続してきたつもりでいるが、どうやらそうではないらしい。人口が減り、自然にGDPが減るこの国で、生産性を向上するためには賃金上昇以外に手はなさそうである。
NPO団体であるCNCPが日本の生産性向上に寄与する余地はあるか、自問自答をしてみた。希望的観測も併せて、「ある」と答えたい。
なぜならCNCPは会員のためのサービス団体であり、会員をオンラインとオフラインでつなぐことにより、提供する情報をマネタイズしていける素地ができているからだ。シェアリングの未来形と言われている“サブスク”ビジネスの基盤は構築されていると考えてよい。サブスク・ビジネスの肝は、少ない時間で多くの収益を生み出すところにある。すなわち、生産性の向上である。CNCPがこれまでに造り上げてきた会員基盤を通じ、会員に有益な企画とサービスを提供できれば、生産性向上に一役買える。
そういう未来をCNCPは展開したい。
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | シビルNPOの現況と課題

令和元年度の企画サービス部門の課題と取り組み方策

シビルNPO連携プラットフォーム常務理事 企画サービス部門担当
中村 裕司


今年度の企画サービス部門の最大にして唯一の課題は、「財源の確保」だと考えております。創設以来5年、発足時には山本代表理事のお力を得て、主に法人賛助会員からの会費を中心財源として活動をしてまいりました。その後、法人賛助会員の数は発足時の33団体から30団体(2019年8月1日現在)に減少しております。
財源の確保のためには、会費収入を主とするこれまでの考えから脱却し、CNCPが独自発信する情報サービスに対して研究費、開発費あるいは購読料金等を供出してくださる産・官・学を募ることが大切です。それに値する企画の実施が必要です。
そのためにはオンライン・オフライン双方でサブスクリプション・ビジネスを展開していくことが大切ではないかと思っております。いくつか思いつくままに、以下に現実的な事例を挙げてみます。

1. CNCPサロンの有料化と一般公開(有料に値する内容が望まれる、母数の拡大)
2. CNCP通信の有料化と普及活動(有料に値する内容が望まれる、母数の拡大)
3. CNCPが企画する内外の先端的情報の収集調査活動とデータベース構築
4. CNCPが主宰し、会員を募るインフラ最前線研究の事業化研究会

以上に掲げた事例は、どれをとっても企画・サービス部門がまず「コト興し」を展開すべき事例だと考えています。またCNCP単独で立案から実行までできるというよりは、学際的な研究機関や団体と連携を重ねながら、“土木NEXT”もしくは”インフラNEXT“を標榜しつつ実現に向けていくものだと思っております。
以上を念頭に、企画サービス部門はCNCPの知恵が財源確保につながる活動を推進して参ります。
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | NPOファイナンス等

花畑川を活かしたまちづくりの推進 ワークショップ「川とまちをつなげるのは誰?」報告

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NPO法人エコロジー夢企画
理事長  三井 元子


足立区立第十三中学校の総合学習を提案し、足立区まちづくりトラストの助成金を得て、中学2年生に対する3年間の授業を行ってきた。3年目の最後の授業が11月29日に行われ、雑誌「ソトコト」の編集長 指出一正さんにご登壇いただいた。
釣りが大好きで、頭の中には釣りのことしかない。みんなも好きなものが頭の真ん中にあるような
大人になってほしい。妻子を連れて日帰りで九州まで釣りに連れていくこともある。私たちは東京にいて、そこで見ているものに縛られすぎている。広い世界、多くの生物と触れ合って、人間はちっぽけなんだという事を知らないと、バランスの取れた人間になれない。
花畑川にタナゴ(タイリクバラタナゴ)釣りに来たことがある。花畑川は、釣り好きなら一度は行ってみたいと思っているほどすてきな川。そんな川の前に学校があるって幸せなことだと思う。地域に何があるか、小さな視界から見つめ続けることで、自分だけの宝物が見えてくる。

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指出さんは、「観光人口ではなく、関係人口を増やすことが大事だと思っている」と福井県大野市の『水を食べるレストラン』と滋賀県長浜の『湖北のどんどん橋プロジェクト』、島根県の『田んぼで金魚』の事例を紹介。地域の人たちを喜ばせようとしたこと、地域の宝を活用したことが、たくさんの人を呼び寄せ、世界からも認められるようなことになったということ話してくれた。

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花畑川WS「川とまちをつなげるのは誰?−アイデアと行動−」に対してのヒントは、
1)川の関係人口を増やす
2)未来を作る手応えがあること
3)「自分ごと」として楽しいことを考えよう
その後、生徒たちは14人ずつ12グループに分かれてディスカッションし、タイトルを決め、壇上で発表をした。タイトルには、「ユーモア溢れる町」「映える川」「水族館のある川」などが挙がった。
これらの発表を聞いて指出さんは、「汚いと思っている川でも自慢したくなる川に変えることは可能」「12のプランは全部実現可能。言い続けているとできるんだよ。僕も関係人口案内所を作ろうと言い続けていたら、国が補助金制度http://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/index.htmlを作ってくれた。」と講評をし、主催者としてエコロジー夢企画の三井元子から、「この3年間で、延べ600人の生徒たちに計12回の総合学習を行ってきた。自分で体験して、調べて、自分の意見を言える人になってほしいとの思いで3年間のプログラムを組んできた。花畑川を活かしたまちづくりを通して学んだことを後輩たちにも伝えていってほしい。」と述べ、こどもたちからは、「おとなになってもずっと花畑川を思い続けていく」との宣言が飛び出した。
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | 災害、危機管理等