2019年12月01日

高齢化社会の住みやすさを求める会(CCRC)の取組み

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特定非営利活動法人建設技術監査センター 代表理事
成岡建築設計・技術士事務所 所長 
成岡 茂


団塊の世代が75歳を迎える5年後には、首都圏で大量に高齢者難民が発生すると言われている。そこでCNCPの事業部門に「南房総CCRC研究会」を立ち上げた。今年はその研究会の3年目を迎えている。今年度は過去2年間の研究成果を如何に実践の取組みに結び付けるかが課題だ。
南房総に着目したのは首都圏で土地も安く豊かな自然に恵まれた地に元気な高齢者が「生涯活躍できるまち」で老齢期を、生きがいを持って過ごせる場として考えた。南房総CCRCはオリジナルの「生涯活躍のまち」構想の日本版CCRC「Council on Comfortable & Recreative Community」の意味から、当会では、Countryside & City Reconstruct Community」と翻訳し、地域と都市のコミュニティの再構築と位置付けた。
当初は、廃業したゴルフ場の再生としてここに関連施設を建築しゴルフなどを楽しみながら過ごすといったイメージを描いたが、千葉のゴルフ場は意外と健在でそのよう場所は見つからなかった。そこで、バブル期にリゾー住宅地として開発された御宿や勝浦のリゾート住宅地を訪れ現状を視察した。これらは超郊外別荘型住宅地と考えられ、二地域居住や定住地として居住している高齢者もおられる。東急リゾート勝浦(1990年東急不動産滑J発分譲地、720戸200ha、ゴルフ場が隣接)、ミレーニア勝浦(1992年三井不動産滑J発分譲地、939区画105ha)、御宿台グリーンタウン(1988年西武不動産滑J発分譲地、1,500区画167ha)、大原西部グリーンタウン(1981年西武不動産滑J発分譲地、937区画227ha、ゴルフ場隣接)がある。この他に視察したのは、季美の森(1994年東急不動産梶E潟Gルカクエイが開発分譲、1855区画約200ha、ゴルフ場併設)の住宅地だ。ここは東金市と大網白里市にまたがっている。都市型団地で千葉市や都内への高速バスも運行している。
一般に南房総というと地元では、館山市、南房総市、勝浦市のエリアを指すが、当会の認識としては広く房総半島全域を視野に入れている。
今回の台風15号、19号、21号で強風による長期停電、水害など房総半島は未曽有の災害に見舞われた。しかし、先日、会のメンバーによる南房総一泊二日の視察で分かったことは、この地域は海の幸山の幸に恵まれた温暖で豊かな地域だということだ。南房総市では2地域居住や観光などで何らかの形で地域と交流した人を「関係人口」ととらえ地域の活性化の呼び水として期待を寄せている。
今後、これらの取組みをベースに高齢化社会の住みやすさを求める会「Council on Comfortable & Recreative Community」は地域との連携のもと地域の活性化と高齢者が快適に暮らせる街を目指したい。    以上

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土木広報の展開 -土木広報大賞2019から

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シビルNPO連携プラットフォーム理事
(公益社団法人土木学会専務理事)  塚田 幸広


土木学会では、日本全国の各地域で展開されている様々な広報のうち、暮らしを支えている土木の役割・意義・魅力について広報を行っている活動または作品などで他団体の模範となるもの、他団体への展開が期待されるものなどを取り上げ、顕彰することを目的として「土木広報大賞」を創設し、展開している。
第2回となる今回は、日本全国から122件の応募が寄せられ、選考委員会(委員長:田中里沙 事業構想大学院大学 学長)による厳正な選考を経て、最優秀賞1件、優秀部門賞6件、準優秀部門賞10件の合計17件を選出した(下表参照)。最優秀賞は、東京都下水道局の“東京地下ラボ(若者向け東京下水道発信事業)”が受賞した。

今回の受賞の中から、「土木と市民社会をつなぐ」の色合いが濃い(あくまで個人的モノサシ)と考えられる2つの活動を以下に紹介する。
(1)春吉橋「賑わい空間」の試行イベント
国土交通省九州地方整備局福岡国道事務所では、一般国道202号線「春吉橋架替事業」の国道本線の切替えに先立ち、地域等への事業に対する理解の促進を図ることとあわせ、迂回路橋を将来の賑わい創出空間として活用したイベントを実施した。実行委員会は福岡国道事務所、福岡市のほか、地元の自治会等(中洲町連合会、春吉・冷泉校区自 治協議会)を巻き込み構成している。約1ヶ月と短い準備期間であったものの、実行委員会と連携し広報活動を幅広く展開したことや、隣接する企業との連携、各媒体を駆使した広報活動を実施したことで、予想を上回る約14万人もの多くの市民の入場があった(写真-1参照)。また、アンケートの結果からは、イベント前まで架替事業を「知らなかった」約7割の市民に対して認知度を高めることができ、さらに、賑わいイベントへのリピート意向・満足度については、約8割が満足し、「また来たい」と回答している。身の丈で地域市民を巻き込んだ「賑わい空間の創出」の好事例といえる。

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(2)「大人の社会科見学 江戸東京・川のなぜなぜ舟めぐり〜シビルエンジニアから聞く川にまつわる話〜」および関連セミナー(写真-2参照)
褐嚼ン技術研究所の国土文化研究所では、東京都中央区のNPO法人などと連携し、東京都心の中小河川をめぐるクルーズ「お江戸日本橋舟めぐり」を2009年より継続的に実施し、年間200便前後運航している。このクルーズでは、専属のガイドが主に水辺を中心とする江戸・東京のまちの発展の歴史などを案内している。体験後のアンケートの結果からは、案内内容やコース全体等の満足度は、「非常に満足」、「満足」が大半を占め、ほとんどの方がまた機会があれば参加したいと回答している。また、自由回答からも、普段なかなか目にすることのない川からの視点で、その役割・機能が必ずしも十分に理解されていない堤防、護岸、水門、排水機場、橋梁などの土木構造物について、実際に目の前で見ながら専門家からの解説を聞くことで、改めて「都市にはどのようなインフラがあるか」、「そのインフラが災害対策、環境保全、利便性向上などにどのように貢献しているのか」、「インフラがその機能を確実に果たすためには市民の正しい理解がいかに大切か」を知ったとの回答を得ている。すなわち、市民に対して土木の役割を考えていただくきっかけに直接つながる好事例である。

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サブスク・ビジネス

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シビルNPO連携プラットフォーム常務理事 企画サービス部門担当
SLIM Japan理事長、(株)アイ・エス・エスグループ代表取締役
中村 裕司


D.アトキンソンさんの近著『国運の分岐点』には、示唆に富んだいくつかの数字が並んでいる。少し羅列して紹介したい。数字の根拠に興味がある方は同著に立ち返ってお読みいただきたい。
1.日本の生産性は、1990年には世界第9位であったが、2019年には第28位にまで下がっている。
2.上場企業の時価総額ランキングでは、1989年には上位50社のうち32社が日本企業であった。しかも1位から5位はすべて日本企業であった。これに対して、2018年で50社以内に入っている日本企業は僅か1社。それも35位である。
3.米国の人口は1990年の2.4億人から2018年には3.3億人に増加している(約1.4倍)。同じ期間の日本の人口は1.26億人から1.25億人に減少している(99%)。
4.1998年〜2018年の20年間で、先進国平均の賃金は1.8倍に増加したが、日本の賃金は9%下落した。
5.企業が社員教育に掛ける金額は、米国が年間44兆円であるのに対し、日本は5,000億円でしかない。
6.年間労働時間を2,000時間とした場合、日本人一人が負担する1時間当たりの社会保障額は、
 ・2020年:824円
 ・2030年:1,137円
 ・2040年:1,642円

と増え続ける。参考までに、2019年10月1日発効の東京都の最低賃金は1,013円、全国の加重平均は901円である。
以上は、日本がなぜ生産性が低い国であるかを示す指標の一端である。このまま低賃金が続くと日本の生産性はますます低下するというのがアトキンソンさんの主張である。
私たち日本人は、けっこう効率よく仕事をさばき、付加価値の高い仕事を継続してきたつもりでいるが、どうやらそうではないらしい。人口が減り、自然にGDPが減るこの国で、生産性を向上するためには賃金上昇以外に手はなさそうである。
NPO団体であるCNCPが日本の生産性向上に寄与する余地はあるか、自問自答をしてみた。希望的観測も併せて、「ある」と答えたい。
なぜならCNCPは会員のためのサービス団体であり、会員をオンラインとオフラインでつなぐことにより、提供する情報をマネタイズしていける素地ができているからだ。シェアリングの未来形と言われている“サブスク”ビジネスの基盤は構築されていると考えてよい。サブスク・ビジネスの肝は、少ない時間で多くの収益を生み出すところにある。すなわち、生産性の向上である。CNCPがこれまでに造り上げてきた会員基盤を通じ、会員に有益な企画とサービスを提供できれば、生産性向上に一役買える。
そういう未来をCNCPは展開したい。
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第20回 国語辞典の「土木」の用例

国語辞典の「用例」とは、『大辞林』に“用いられている例。用い方の例。「近松に−のある語」「−をあげて説明する」”とある。「土木」の代表的用例は何だろうか。まず、「土と木」の「用いられている例」を現代に近い時代に探した。
幕末から明治に活躍した福沢諭吉には多くの著作があり、慶應義塾大学の『デジタルで読む福澤諭吉』で全119冊の全文が検索できる。福澤諭吉が初めて使った「土木」は、翻訳本『兵士懐中便覧』(1868)「第三砦を築くに土方の人数十分にして且土木も沢山なれば本式に築造す可きなれども」で、「建設材料」としての「土と木」であった。西洋文明の紹介書『西洋事情二編巻之一』(1870)「物を費し随て新に物を生ずるに当り、土木を費して家を生じ、米を費して酒を生ずるの類なり。」は「建築材料」の「土と木」を表している。
次に「インフラを造る」「土木」の用例は、『日本国語大辞典第二版』(2001)に“青春〔1905〜06〕〈小栗風葉〉春・七「何か土木の事から県民の大反対を受けたので、其れを見切時に官途を退いて」”とあるが、内村鑑三の講演『後世への最大遺物』(1894)の「ドウ云ふ事業が一番誰にも解るかと云ふと、土木的の事業です。私は土木者ではありませぬけれども、土木事業を見ることが非常に好きで、始終それがありますと注意して見て居ります。けれども一の此土木事業を遺すと云ふことは、實に我々に取つても快樂であるし、又永遠の喜と、富とを後世に残す所のものじやないかと思ひます。」はどうだろうか。なお、この初出の一節、後の岩波文庫や青空文庫所収の版とは異なっている。
(土木学会土木広報センター次長 小松 淳)
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SNS勉強会にかかわって感じたこと

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シビルNPO連携プラットフォームサポーター/土木学会連携部門
土木学会 教育企画人材育成委員会 シビルNPO推進小委員会 幹事長
株式会社プレック研究所 柴田 勝史


■はじめに
2019年4月、CNCPの「SNS勉強会」に話題提供者の1人として参加し、シビルNPO推進小委員会Facabookページの紹介などをさせていただきました。この経験もふまえ、感じていることなどを寄稿します。

■市民はどこから情報を得ているか?
情報通信白書によれば、わが国のインターネットの普及率(個人利用率)は約80%だそうで、インターネットは身近に存在する<インフラ>です。インターネットは、テレビや新聞と異なり、一方通行の情報発信のみではなく双方向の情報交流が可能であり、スポンサーへの忖度(?)も不要で自由なコンテンツが発信可能であることが特徴です。

■CNCP会員はインターネットという<インフラ>を使いこなしているか?
CNCPは「土木と市民社会をつなぐ」を活動目標の1つに掲げていますが、「つなぐ」ためにはこのインターネットやSNSなどの<インフラ>を使いこなす必要があります。しかし、CNCP会員(個人・団体)は、これらをどれほど活用しているでしょうか。ホームページをもっていても更新が少なかったり、SNSアカウントをもっていなかったりする会員が多いかもしれません。

■「市民社会」から見える存在になれ
インターネットやSNSに接続していないと、「市民社会」から見えない存在となってしまいます。例えば、SNS勉強会の企画段階では「こんな誰でもできることをわざわざCNCPでやるの??」という声もありました。普段からSNSを使いこなす人にとってはそう思えるのです。このネット/非ネットの断絶を、個人レベルで克服することが求められています。

■何を発信すべきか?
土木の人にはマジメな人が多いと言われますが、ここは「べきか」などと堅苦しく考えず、自由な立場から発信したいことを軽い気持ちで積極的に発信し、「いいね!」と感じれば、絡んでみればよいのです。小委員会のFacebookページ(ぜひフォローお願いします!)も、そのような観点で長く続けることを1つの目標としています。

■自らの経験こそコンテンツ
インターネット検索では、同じ情報源と思われる似たようなコンテンツがたくさんヒットすることもあります。一方で、CNCPや学会の集まりで、ベテラン技術者の話を聞く機会(酒の席を含めて)がありますが、面白くて勉強になる話が多いです。どれも理屈やマニュアルのみでは語ることができない、苦労や経験に裏打ちされた独自のストーリー性をもつ、魅力あるコンテンツといってもいいと思います。

■実践あるのみ!
SNS勉強会では、実践編としてFacebookアカウントの取得や投稿もやりました。アカウントを初めてとった方もおられ、それなりに面白がっていただけたように思います。CNCP会員の皆さんには、引き続きインターネットやSNSに親しみ、「土木と市民社会をつなぐ」一助を担っていただけると心強いかぎりです。

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令和元年度の企画サービス部門の課題と取り組み方策

シビルNPO連携プラットフォーム常務理事 企画サービス部門担当
中村 裕司


今年度の企画サービス部門の最大にして唯一の課題は、「財源の確保」だと考えております。創設以来5年、発足時には山本代表理事のお力を得て、主に法人賛助会員からの会費を中心財源として活動をしてまいりました。その後、法人賛助会員の数は発足時の33団体から30団体(2019年8月1日現在)に減少しております。
財源の確保のためには、会費収入を主とするこれまでの考えから脱却し、CNCPが独自発信する情報サービスに対して研究費、開発費あるいは購読料金等を供出してくださる産・官・学を募ることが大切です。それに値する企画の実施が必要です。
そのためにはオンライン・オフライン双方でサブスクリプション・ビジネスを展開していくことが大切ではないかと思っております。いくつか思いつくままに、以下に現実的な事例を挙げてみます。

1. CNCPサロンの有料化と一般公開(有料に値する内容が望まれる、母数の拡大)
2. CNCP通信の有料化と普及活動(有料に値する内容が望まれる、母数の拡大)
3. CNCPが企画する内外の先端的情報の収集調査活動とデータベース構築
4. CNCPが主宰し、会員を募るインフラ最前線研究の事業化研究会

以上に掲げた事例は、どれをとっても企画・サービス部門がまず「コト興し」を展開すべき事例だと考えています。またCNCP単独で立案から実行までできるというよりは、学際的な研究機関や団体と連携を重ねながら、“土木NEXT”もしくは”インフラNEXT“を標榜しつつ実現に向けていくものだと思っております。
以上を念頭に、企画サービス部門はCNCPの知恵が財源確保につながる活動を推進して参ります。
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サブスク・ビジネス

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シビルNPO連携プラットフォーム常務理事 企画サービス部門担当
SLIM Japan理事長、(株)アイ・エス・エスグループ代表取締役
中村 裕司


D.アトキンソンさんの近著『国運の分岐点』には、示唆に富んだいくつかの数字が並んでいる。少し羅列して紹介したい。数字の根拠に興味がある方は同著に立ち返ってお読みいただきたい。
1.日本の生産性は、1990年には世界第9位であったが、2019年には第28位にまで下がっている。
2.上場企業の時価総額ランキングでは、1989年には上位50社のうち32社が日本企業であった。しかも1位から5位はすべて日本企業であった。これに対して、2018年で50社以内に入っている日本企業は僅か1社。それも35位である。
3.米国の人口は1990年の2.4億人から2018年には3.3億人に増加している(約1.4倍)。同じ期間の日本の人口は1.26億人から1.25億人に減少している(99%)。
4.1998年〜2018年の20年間で、先進国平均の賃金は1.8倍に増加したが、日本の賃金は9%下落した。
5.企業が社員教育に掛ける金額は、米国が年間44兆円であるのに対し、日本は5,000億円でしかない。
6.年間労働時間を2,000時間とした場合、日本人一人が負担する1時間当たりの社会保障額は、
 ・2020年:824円
 ・2030年:1,137円
 ・2040年:1,642円

と増え続ける。参考までに、2019年10月1日発効の東京都の最低賃金は1,013円、全国の加重平均は901円である。
以上は、日本がなぜ生産性が低い国であるかを示す指標の一端である。このまま低賃金が続くと日本の生産性はますます低下するというのがアトキンソンさんの主張である。
私たち日本人は、けっこう効率よく仕事をさばき、付加価値の高い仕事を継続してきたつもりでいるが、どうやらそうではないらしい。人口が減り、自然にGDPが減るこの国で、生産性を向上するためには賃金上昇以外に手はなさそうである。
NPO団体であるCNCPが日本の生産性向上に寄与する余地はあるか、自問自答をしてみた。希望的観測も併せて、「ある」と答えたい。
なぜならCNCPは会員のためのサービス団体であり、会員をオンラインとオフラインでつなぐことにより、提供する情報をマネタイズしていける素地ができているからだ。シェアリングの未来形と言われている“サブスク”ビジネスの基盤は構築されていると考えてよい。サブスク・ビジネスの肝は、少ない時間で多くの収益を生み出すところにある。すなわち、生産性の向上である。CNCPがこれまでに造り上げてきた会員基盤を通じ、会員に有益な企画とサービスを提供できれば、生産性向上に一役買える。
そういう未来をCNCPは展開したい。
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令和元年度の企画サービス部門の課題と取り組み方策

シビルNPO連携プラットフォーム常務理事 企画サービス部門担当
中村 裕司


今年度の企画サービス部門の最大にして唯一の課題は、「財源の確保」だと考えております。創設以来5年、発足時には山本代表理事のお力を得て、主に法人賛助会員からの会費を中心財源として活動をしてまいりました。その後、法人賛助会員の数は発足時の33団体から30団体(2019年8月1日現在)に減少しております。
財源の確保のためには、会費収入を主とするこれまでの考えから脱却し、CNCPが独自発信する情報サービスに対して研究費、開発費あるいは購読料金等を供出してくださる産・官・学を募ることが大切です。それに値する企画の実施が必要です。
そのためにはオンライン・オフライン双方でサブスクリプション・ビジネスを展開していくことが大切ではないかと思っております。いくつか思いつくままに、以下に現実的な事例を挙げてみます。

1. CNCPサロンの有料化と一般公開(有料に値する内容が望まれる、母数の拡大)
2. CNCP通信の有料化と普及活動(有料に値する内容が望まれる、母数の拡大)
3. CNCPが企画する内外の先端的情報の収集調査活動とデータベース構築
4. CNCPが主宰し、会員を募るインフラ最前線研究の事業化研究会

以上に掲げた事例は、どれをとっても企画・サービス部門がまず「コト興し」を展開すべき事例だと考えています。またCNCP単独で立案から実行までできるというよりは、学際的な研究機関や団体と連携を重ねながら、“土木NEXT”もしくは”インフラNEXT“を標榜しつつ実現に向けていくものだと思っております。
以上を念頭に、企画サービス部門はCNCPの知恵が財源確保につながる活動を推進して参ります。
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花畑川を活かしたまちづくりの推進 ワークショップ「川とまちをつなげるのは誰?」報告

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NPO法人エコロジー夢企画
理事長  三井 元子


足立区立第十三中学校の総合学習を提案し、足立区まちづくりトラストの助成金を得て、中学2年生に対する3年間の授業を行ってきた。3年目の最後の授業が11月29日に行われ、雑誌「ソトコト」の編集長 指出一正さんにご登壇いただいた。
釣りが大好きで、頭の中には釣りのことしかない。みんなも好きなものが頭の真ん中にあるような
大人になってほしい。妻子を連れて日帰りで九州まで釣りに連れていくこともある。私たちは東京にいて、そこで見ているものに縛られすぎている。広い世界、多くの生物と触れ合って、人間はちっぽけなんだという事を知らないと、バランスの取れた人間になれない。
花畑川にタナゴ(タイリクバラタナゴ)釣りに来たことがある。花畑川は、釣り好きなら一度は行ってみたいと思っているほどすてきな川。そんな川の前に学校があるって幸せなことだと思う。地域に何があるか、小さな視界から見つめ続けることで、自分だけの宝物が見えてくる。

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指出さんは、「観光人口ではなく、関係人口を増やすことが大事だと思っている」と福井県大野市の『水を食べるレストラン』と滋賀県長浜の『湖北のどんどん橋プロジェクト』、島根県の『田んぼで金魚』の事例を紹介。地域の人たちを喜ばせようとしたこと、地域の宝を活用したことが、たくさんの人を呼び寄せ、世界からも認められるようなことになったということ話してくれた。

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花畑川WS「川とまちをつなげるのは誰?−アイデアと行動−」に対してのヒントは、
1)川の関係人口を増やす
2)未来を作る手応えがあること
3)「自分ごと」として楽しいことを考えよう
その後、生徒たちは14人ずつ12グループに分かれてディスカッションし、タイトルを決め、壇上で発表をした。タイトルには、「ユーモア溢れる町」「映える川」「水族館のある川」などが挙がった。
これらの発表を聞いて指出さんは、「汚いと思っている川でも自慢したくなる川に変えることは可能」「12のプランは全部実現可能。言い続けているとできるんだよ。僕も関係人口案内所を作ろうと言い続けていたら、国が補助金制度http://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/index.htmlを作ってくれた。」と講評をし、主催者としてエコロジー夢企画の三井元子から、「この3年間で、延べ600人の生徒たちに計12回の総合学習を行ってきた。自分で体験して、調べて、自分の意見を言える人になってほしいとの思いで3年間のプログラムを組んできた。花畑川を活かしたまちづくりを通して学んだことを後輩たちにも伝えていってほしい。」と述べ、こどもたちからは、「おとなになってもずっと花畑川を思い続けていく」との宣言が飛び出した。
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SNS勉強会にかかわって感じたこと

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シビルNPO連携プラットフォームサポーター/土木学会連携部門
土木学会 教育企画人材育成委員会 シビルNPO推進小委員会 幹事長
株式会社プレック研究所 柴田 勝史


■はじめに
2019年4月、CNCPの「SNS勉強会」に話題提供者の1人として参加し、シビルNPO推進小委員会Facabookページの紹介などをさせていただきました。この経験もふまえ、感じていることなどを寄稿します。

■市民はどこから情報を得ているか?
情報通信白書によれば、わが国のインターネットの普及率(個人利用率)は約80%だそうで、インターネットは身近に存在する<インフラ>です。インターネットは、テレビや新聞と異なり、一方通行の情報発信のみではなく双方向の情報交流が可能であり、スポンサーへの忖度(?)も不要で自由なコンテンツが発信可能であることが特徴です。

■CNCP会員はインターネットという<インフラ>を使いこなしているか?
CNCPは「土木と市民社会をつなぐ」を活動目標の1つに掲げていますが、「つなぐ」ためにはこのインターネットやSNSなどの<インフラ>を使いこなす必要があります。しかし、CNCP会員(個人・団体)は、これらをどれほど活用しているでしょうか。ホームページをもっていても更新が少なかったり、SNSアカウントをもっていなかったりする会員が多いかもしれません。

■「市民社会」から見える存在になれ
インターネットやSNSに接続していないと、「市民社会」から見えない存在となってしまいます。例えば、SNS勉強会の企画段階では「こんな誰でもできることをわざわざCNCPでやるの??」という声もありました。普段からSNSを使いこなす人にとってはそう思えるのです。このネット/非ネットの断絶を、個人レベルで克服することが求められています。

■何を発信すべきか?
土木の人にはマジメな人が多いと言われますが、ここは「べきか」などと堅苦しく考えず、自由な立場から発信したいことを軽い気持ちで積極的に発信し、「いいね!」と感じれば、絡んでみればよいのです。小委員会のFacebookページ(ぜひフォローお願いします!)も、そのような観点で長く続けることを1つの目標としています。

■自らの経験こそコンテンツ
インターネット検索では、同じ情報源と思われる似たようなコンテンツがたくさんヒットすることもあります。一方で、CNCPや学会の集まりで、ベテラン技術者の話を聞く機会(酒の席を含めて)がありますが、面白くて勉強になる話が多いです。どれも理屈やマニュアルのみでは語ることができない、苦労や経験に裏打ちされた独自のストーリー性をもつ、魅力あるコンテンツといってもいいと思います。

■実践あるのみ!
SNS勉強会では、実践編としてFacebookアカウントの取得や投稿もやりました。アカウントを初めてとった方もおられ、それなりに面白がっていただけたように思います。CNCP会員の皆さんには、引き続きインターネットやSNSに親しみ、「土木と市民社会をつなぐ」一助を担っていただけると心強いかぎりです。

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土木広報の展開 -土木広報大賞2019から

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シビルNPO連携プラットフォーム理事
(公益社団法人土木学会専務理事)  塚田 幸広


土木学会では、日本全国の各地域で展開されている様々な広報のうち、暮らしを支えている土木の役割・意義・魅力について広報を行っている活動または作品などで他団体の模範となるもの、他団体への展開が期待されるものなどを取り上げ、顕彰することを目的として「土木広報大賞」を創設し、展開している。
第2回となる今回は、日本全国から122件の応募が寄せられ、選考委員会(委員長:田中里沙 事業構想大学院大学 学長)による厳正な選考を経て、最優秀賞1件、優秀部門賞6件、準優秀部門賞10件の合計17件を選出した(下表参照)。最優秀賞は、東京都下水道局の“東京地下ラボ(若者向け東京下水道発信事業)”が受賞した。

今回の受賞の中から、「土木と市民社会をつなぐ」の色合いが濃い(あくまで個人的モノサシ)と考えられる2つの活動を以下に紹介する。
(1)春吉橋「賑わい空間」の試行イベント
国土交通省九州地方整備局福岡国道事務所では、一般国道202号線「春吉橋架替事業」の国道本線の切替えに先立ち、地域等への事業に対する理解の促進を図ることとあわせ、迂回路橋を将来の賑わい創出空間として活用したイベントを実施した。実行委員会は福岡国道事務所、福岡市のほか、地元の自治会等(中洲町連合会、春吉・冷泉校区自 治協議会)を巻き込み構成している。約1ヶ月と短い準備期間であったものの、実行委員会と連携し広報活動を幅広く展開したことや、隣接する企業との連携、各媒体を駆使した広報活動を実施したことで、予想を上回る約14万人もの多くの市民の入場があった(写真-1参照)。また、アンケートの結果からは、イベント前まで架替事業を「知らなかった」約7割の市民に対して認知度を高めることができ、さらに、賑わいイベントへのリピート意向・満足度については、約8割が満足し、「また来たい」と回答している。身の丈で地域市民を巻き込んだ「賑わい空間の創出」の好事例といえる。

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(2)「大人の社会科見学 江戸東京・川のなぜなぜ舟めぐり〜シビルエンジニアから聞く川にまつわる話〜」および関連セミナー(写真-2参照)
褐嚼ン技術研究所の国土文化研究所では、東京都中央区のNPO法人などと連携し、東京都心の中小河川をめぐるクルーズ「お江戸日本橋舟めぐり」を2009年より継続的に実施し、年間200便前後運航している。このクルーズでは、専属のガイドが主に水辺を中心とする江戸・東京のまちの発展の歴史などを案内している。体験後のアンケートの結果からは、案内内容やコース全体等の満足度は、「非常に満足」、「満足」が大半を占め、ほとんどの方がまた機会があれば参加したいと回答している。また、自由回答からも、普段なかなか目にすることのない川からの視点で、その役割・機能が必ずしも十分に理解されていない堤防、護岸、水門、排水機場、橋梁などの土木構造物について、実際に目の前で見ながら専門家からの解説を聞くことで、改めて「都市にはどのようなインフラがあるか」、「そのインフラが災害対策、環境保全、利便性向上などにどのように貢献しているのか」、「インフラがその機能を確実に果たすためには市民の正しい理解がいかに大切か」を知ったとの回答を得ている。すなわち、市民に対して土木の役割を考えていただくきっかけに直接つながる好事例である。

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「土木コレクション(通称:ドボコレ)」を支援して

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シビルNPO連携プラットフォーム常務理事 土木学会連携部門担当
土木学会 教育企画・人材育成委員会 シビルNPO推進小委員会 委員長
メトロ設計梶@技術顧問
田中 努


「土木コレクション」については、CNCP通信のVol.60と67に書きましたが、先月の11/14(木)〜17(日)の8〜21時に、新宿駅西口広場イベントコーナーで開催されました。昨年まで、広場を東京都の建設局と半々で使用しましたが、今年は、全域、土木学会の「土木コレクション」でした。
今年のテーマは「過去から未来、新しいTOKYOへ」で、TOKYOを躍動させる高速道路や鉄道等の貴重な「建設映像」や「図面」など約150点を一般公開し、「土木カフェ」では8題のミニ講演が行われました。4日間の来場者数は約35,000人。親子連れ・学生・現役世代・シニアの方など様々で、女性も結構多かったのが印象的でした。
「ドボコレ」支援報告の前に、1つ。

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■高齢社会での生き方
下の図は、皆さん、見覚えがあると思います。今年の6月10日の第4回CNCPサロンで、東京大学高齢社会総合研究機構副機構長の牧野篤教授の講演の中で出てきた図です。

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この図は、明治から2110年までの人口構造の遷移図で、少子高齢化が急激に進む様子が分かる図です。
上の図は、青の現役労働者が減少し、オレンジの働かない高齢者が増え、大変な社会になって行くぞ!という図。

下の図は「高齢者とは65歳でなく75歳以上」と定義して、75歳まで現役だと考えた時の図。現時点では別世界ですが、社会環境の変化に応じて新しいビジネスモデル・生活モデル・人生モデルを考えよう!と言う意味ではこれまで経験してきたことと同じですね。そして、平均寿命100歳の人たちが、75歳まで健康で働けるようになれば、労働人口の比率は、なんと、バブルの頃と同じなんです!
そういうことなら、今でも、シニアは、自分の子供たち世代の現役労働者を、可能な範囲で、支援してあげるべきでは?・・と思います。支援するなら、1人でもいいですが、NPOや学会で仲間が集まれば、質的・量的にパワーUPし、受ける側にも有効な支援になります。
その例が、この「ドボコレ」への支援です。

■「ドボコレ」への支援
冒頭で話したように、今年は広場全域に展開し、昨年人気のあった「TOKYOオリンピック」だったため、「土木」の分かる説明員を必要とし、CNCPに支援を依頼されました。
CNCPでは、会員に呼びかけましたが残念ながら反応がなく、首都高のOB会(21名)とJR東のOB会(6名)と私の母校の都立大と前職の会社と土木学会の委員会の仲間(7名)が支援してくれました。

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説明支援の人たちは、左のタグをぶら下げ、サポートが必要な来場者に様々な対応をしていただき、土木学会の「土木広センター長」からお礼状を頂きました。

「ドボコレ」は、来場者の対象を土木マニアから子供までとし、ガチャや缶バッチも用意しています。「土木カフェ」では、土木・建築分野の先生・行政職員・ジャーナリストなど、様々な方をお呼びし、4/8題は2人での掛け合いトークで、休日は人集りが出来ていました。床に貼られたTOKYO航空写真も人気でした。私の自宅と実家、通った小・中・高校、大学・職場が、全部、写っていました(笑)。

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花畑川を活かしたまちづくりの推進 ワークショップ「川とまちをつなげるのは誰?」報告

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NPO法人エコロジー夢企画
理事長  三井 元子


足立区立第十三中学校の総合学習を提案し、足立区まちづくりトラストの助成金を得て、中学2年生に対する3年間の授業を行ってきた。3年目の最後の授業が11月29日に行われ、雑誌「ソトコト」の編集長 指出一正さんにご登壇いただいた。
釣りが大好きで、頭の中には釣りのことしかない。みんなも好きなものが頭の真ん中にあるような
大人になってほしい。妻子を連れて日帰りで九州まで釣りに連れていくこともある。私たちは東京にいて、そこで見ているものに縛られすぎている。広い世界、多くの生物と触れ合って、人間はちっぽけなんだという事を知らないと、バランスの取れた人間になれない。
花畑川にタナゴ(タイリクバラタナゴ)釣りに来たことがある。花畑川は、釣り好きなら一度は行ってみたいと思っているほどすてきな川。そんな川の前に学校があるって幸せなことだと思う。地域に何があるか、小さな視界から見つめ続けることで、自分だけの宝物が見えてくる。

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指出さんは、「観光人口ではなく、関係人口を増やすことが大事だと思っている」と福井県大野市の『水を食べるレストラン』と滋賀県長浜の『湖北のどんどん橋プロジェクト』、島根県の『田んぼで金魚』の事例を紹介。地域の人たちを喜ばせようとしたこと、地域の宝を活用したことが、たくさんの人を呼び寄せ、世界からも認められるようなことになったということ話してくれた。

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花畑川WS「川とまちをつなげるのは誰?−アイデアと行動−」に対してのヒントは、
1)川の関係人口を増やす
2)未来を作る手応えがあること
3)「自分ごと」として楽しいことを考えよう
その後、生徒たちは14人ずつ12グループに分かれてディスカッションし、タイトルを決め、壇上で発表をした。タイトルには、「ユーモア溢れる町」「映える川」「水族館のある川」などが挙がった。
これらの発表を聞いて指出さんは、「汚いと思っている川でも自慢したくなる川に変えることは可能」「12のプランは全部実現可能。言い続けているとできるんだよ。僕も関係人口案内所を作ろうと言い続けていたら、国が補助金制度http://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/index.htmlを作ってくれた。」と講評をし、主催者としてエコロジー夢企画の三井元子から、「この3年間で、延べ600人の生徒たちに計12回の総合学習を行ってきた。自分で体験して、調べて、自分の意見を言える人になってほしいとの思いで3年間のプログラムを組んできた。花畑川を活かしたまちづくりを通して学んだことを後輩たちにも伝えていってほしい。」と述べ、こどもたちからは、「おとなになってもずっと花畑川を思い続けていく」との宣言が飛び出した。
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