2020年01月01日

第21回 地名の「土木」は「トキ」

茨城県に、久慈川左岸の自然堤防周辺に位置する常陸太田市上土木内(かみどぎうち)町と日立市下土木内(しもどぎうち)町がある。『日立市史』(1959年)「地名に関する伝説」節の「下土木内町」には「茨城県北部地方は八幡太郎義家ゆかりの地名伝説がとくに多いがこれもその一つである。(中略)土木内とは義家の軍が久慈川を渡ろうとして難渋したとき、その一帯の森林を伐って土木工事をしたのでその名が起こったといい、あるいはまた義良親王を奉じて鎌倉に向かう北畠顕家の軍が、村人の助けをかりて土木工事をしたのだとも伝えられている。」との記述がある。ただ、平安末期の源義家、鎌倉末期の北畠顕家の時代の「土木」は建物の造作の意味であり、ここでいう土木工事にはあたらない。江戸時代の『寛政水戸領絵図』(1793年)の久慈川河口付近に「上トキウチ」という地名があり、また『大日本地名辭書第二版』(1907年)には「常陸國久慈郡土木内(トキウチ)」とあるので、もとは「とき」という音に「土」と「木」という万葉仮名をあてた地名ではないかと思われる。
このほか『和名類聚抄』(934年頃成立)国郡部の備前国三上郡の地名に「土木」郷が出てくる。国学者の本居宣長が地名を分類した『地名字音轉用例』(1800年)著作のために用例収集した自筆書入のある『和名類聚抄』の該当部分の「土木」に、原本にはない「トキ」という地名の読みと注記が書き入れられている。『日本歴史地名大系』(1982年)によると、広島県庄原市一木(ひとつぎ)町にあたるとの説は疑問とのことで、こちらの現在地は不詳である。
(土木学会土木広報センター次長 小松 淳)
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魅力ある世界一の建設環境の構築を支援

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シビルNPO連携プラットフォーム 個人正会員
NPO法人建設技術監査センター 相談役・理事
土木学会フェロー・特別上級技術者(総合)、
技術士(総合・建設) 、品確技術者 五艘 章



はじめに
令和2年の年頭に当たり会員の皆様の御多幸を御祈りし、併せて今年も変わらぬ御厚誼を御願い申し上げます。
7月24 日から17日間、東京オリンピック(五輪)が開催される。参加国・地域数205. 参加人数12,000人、訪日観光客は4000万人、経済効果は30兆円と推定されている。五輪において「日本は自由と平和を愛する誠実な国家である」事を全世界に伝えたい。大会中に巨大な自然災害・テロが発生しない事を世界の神々に祈りたい。

1.CNCP個人正会員として入会を認められる
昨年6月、NPO法人理事長を勇退し理事・相談役に就任する。長きに渡り御世話に成った方々に心から御礼申し上げます。NPOは公益貢献を目指して平成17年に創設、15年間に受諾事業は初年度のゼロから最大2000万円/年まで成長するも、近年は500万円前後に低迷している。CNCPに入会した数年前にNPO運営の引き継に着手し、令和元年に次世代への引継を実現する。勇退に伴い、内藤事務局長から有岡正樹前常務理事と同じ個人正会員として入会を打診され、感謝の意を持って快諾する。今後も引き続き会員諸兄の変わらぬ御指導を御願いします。

2.自治体の監査委員事務局
監査委員事務局は自治体から独立した首長直属の組織である。首長は議員、弁護士、税理士等に監査委員を委嘱して自治体全体の活動を管理する。財政監査は監査委員に工事監査は技術士に委ねて実施する。工事監査は公共事業に関わる全ての管理資料と現場の施工品質を調査して首長に評価と改善策を提言し、報告書は市民に公開される。
「工事監査には担い手三法(品確法、建設業法、入契法)と最先端技術の知識が必要不可欠である」

3.巨大自然災害に対する千葉県と東電の対応
昨年9月、千葉県は2本の台風と集中豪雨により停電、断水、土砂崩れ、床上浸水1,009棟・床下浸水934棟と、市民11名の尊い命を奪われる。被害総額505億円(農林水産被害368億円)である。最大瞬間風速55m/秒の台風により77万戸が停電する。東電は前例の無い大規模停電の復旧に16,000人で取組むも完全復旧に2週間以上を要する。
台風直後の知事の行動について、「市民を守る事が知事の再優先事項であり知事の初動は私的行動ではないか」として知事の政治家としての適正、人間性についてマスコミ、県庁職員、県内自治体から疑問の声が湧き上がる。

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4.日本技術士会建設部会・千葉県支部 合同講演会
巨大災害を背景に11月20日に行われた日本技術士会建設部会と千葉県支部合同講演会の内容を紹介する。
講演1「千葉県建設行政の今後の施策」    講師;千葉県県土整備部次長 渡邉浩太郎氏
  令和元年の千葉県の当初予算総額1兆8,200億円、河川・道路に1240億円であり、県土整備費はここ数年間、維持されている。今度の被災は道路60件、河川125件、港湾4件、土砂4件、公園7件である。
「復旧・復興費として470億円を12月補正予算に計上し、職員の防災力の向上に努める」
講演2「構造物は100年耐久性が当たり前に」 講師:JR東日本コンサルタンツ(株)技術統括 石橋忠良氏
明治・大正・昭和に建設されたRC橋梁・トンネルは補強により今後100年でも大丈夫である。しっかり設計・施工されたものは充分耐久性がある。建設時の技術力不足や知識不足、新材料や施工技術への対応が不十分なものが問題である。技術者の設計・施工能力が耐久性を決定する。JRの事例から下記の事を強調された。
「全てのコンクリート構造物は鉄筋の被りを大きくする事で100年以上の耐久性を保証できる」
※ 土木技術者として2件の講演内容を謙虚に受け止め、之からの技術者教育、工事監査に活かしたい。

5.CNCPの使命:建設環境と低生産性の改善に寄与する
我が国を取巻く厳しい政治・経済環境・テロの危機と先進7カ国中最下位の生産性が若い政治家、若い技術者により改善される事を期待している。また想定外の巨大自然災害から国民の生命財産を守る事が国家の責任である。多くの若者が土木工事に憧れる建設環境(生涯年収・社会的評価・生き甲斐)の構築が急務である。
「日本の将来の為に世界一の建設環境構築を支援する事がCNCPの使命である」

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