2020年08月01日

サポーター制度の現状把握

シビル NPO 連携プラットフォーム常務理事 企画サービス部門担当
株式会社アイ・エス・エスグループ本社 相談役
CNCP 法人正会員 SLIM JAPAN 理事長 中村 裕司
CNCP個人正会員 SLIM JAPAN副理事長 横塚 雅実


サポーター会員は正会員、賛助会員と並び、当会の極めて重要な運営基盤の一つである。当会が擁する130人を超えるサポーター会員が、当会がサポーター制度に意図した活動、例えば、経験と専門分野を活かし建設系シビルNPOに参加あるいは支援するなどの活動を推進しているかについて、実情を確認し、必要な場合その改善の手立てを検討することを目的に、アンケートを中心とした調査を実施することとした。
この調査により、サポーター会員組織を実態のあるものに再構築し、当会が期待する活動実績を積み上げ、かつこの活動を社会に発信することで、土木と市民社会を繋ぐ大切な一要素とする。今回はこの準備調査の結果を主に紹介する。

■準備調査の結果
2020年3月末現在の「CNCPサポーター名簿」を基礎にして、事務局の協力を得て、そのデータから以下の調査を行った。
@ 年齢構成、入会年月日
建設系シビルNPO に関心を示すであろう65歳以上はサポーター会員130人中39人、30.5%で、逆に、7割はまだ現役で仕事を持って活躍しているものとみられた。入会は2016年度、2017年度の発足後2カ年度で計98人、75.4%に達し、2019年度以降はほとんど入会がみられていない。

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A 紹介者
紹介者ありが80人、61.5%で、更にそのうち、過半の47人が有岡正樹氏からの紹介であった。紹介者には当会代表クラスの幹部の名前が並び、当会内部とのネットワークに偏りがある様子が推測された。

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B メールの不達
事務局によると、現状ではCNCP通信などが届かないメールの不達は3件のみとのことであった。
C 特典の利用
過去5回セミナーを通して、サポーター会員130人に対する参加者の比率は5%〜15%程度であった。1回も参加したことのないサポーターが102名。3回以上参加しているサポーターが5名おり、この5名で参加延人数に4割に達する等、参加に偏りがあった。

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D 有償受託業務
業務実績があれば、その課題などと共に確認した。しかし、現状では、当会が有償で受託した業務は無く、サポーターへ紹介できる案件は無かった。
E 専門分野
サポーターの専門分野を確認した。サポーター名簿に記載されている専門分野は、登録時にサポーターが任意に記入したものとなっている。そこで当会がシビルマッチに使う得意分野分類を参考に下記の分類を用意し、重複のあるデータとして扱いグラフに示した。最多は土木計画・設計全般、次いで開発等整備手法の分類が多く、紹介者のキャリアに類似している様子が見られた。

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■アンケート調査
以上の準備調査を終え、今後、サポーターへのアンケート調査を予定している。アンケートではサポーター会員の所属、専門分野の再確認/修正をひとつの目的として、併せて会員の率直な意向をアンケート形式で応えてもらうこととした。まず、建設系シビルNPOに対する参加、支援についてその関心度合を尋ね、次に、準備調査で確認したように紹介者による入会の場合も含め、当会への入会の動機を選択式で聞く。更に。入会後に感じているメリットやCNCP通信への感想などを、自由意見として率直に聞くこととしている。
なお、メールによる発送を8月中に予定しており、是非ご協力をお願いしたい。この結果はまた改めて報告する。

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『インフラツーリズムの体験』

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シビルNPO連携プラットフォーム 常務理事 協働推進部門担当
日本ファシリティマネジメント協会 インフラマネジメント研究部会副部会長
インフラメンテナンス国民会議 市民参画フォーラムリーダー
アイセイ(株) 代表取締役 岩佐 宏一


コロナ禍の自粛要請から県をまたぐ移動の自粛が解除されたころ、群馬県内横川から軽井沢間の信越本線新線跡地で開催されている『廃線ウォーク』に参加した。この廃線ウォークはJRから譲り受けた跡地を所有する安中市と安中市観光機構がインフラツーリズムとして活用しているイベントである。
浅間山、榛名山、妙義山に囲まれた急峻な地形でアプト式ラックレールの旧線は、鉄道を知る方々には非常に有名な場所である。
これだけではぱっとイメージが付かないだろうと思い、この地のもう一つのキーワード「峠の釜めし」も紹介。高崎のだるま弁当、群馬のソウルフードである登利平の鳥めし弁当。これらに並ぶ「おぎのやの釜めし」の誕生の地である。益子焼の窯に炊き込みご飯、鶏肉、ウズラの卵、栗、杏子..が昔から変わらずの配置で納まっており、箸休めでキュウリやワサビ漬けといった漬物が添えられている。思い出すだけで空腹になる。

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廃線ウォークはその横川で始まる。安中市の峠の湯で参加者が集まり、ここから軽井沢までの最大急こう配66.7‰の碓井峠を越える旅がスタートする。当時のままの状態で残る線路を歩くのでスタンドバイミー気分である。枕木の上や歩きづらいバラストの上を歩き、まず短いトンネル(下り第1ずい道)に到着、縦長馬蹄形のトンネルは当時を思い出させるほど趣がある。職業柄トンネル覆工面の損傷を気にしてしまうが、大きな損傷がないのは国鉄の施工の良さと感じた。さて次に見えるは延長1.2kmほどある、下り第2ずい道だ。ガイドがひたすら歩くイベントを敷設された信号や照明を当時のように稼働させ、急こう配を下るトンネル内の運転は、先が見えないため恐ろしいほどの緊張感があったなど運転手の気持ちを話し飽きさせない。見どころも満載だ。第2ずい道と第3ずい道の間には、重要文化財の碓井第三橋梁、通称めがね橋が見える。国道18号旧道から見ためがね橋とは異なり、普段立ち入りができない場所からの眺めは抜群である。今回は生憎の雨だったが、モヤがかかるトンネルの中、橋梁からの眺めは梅雨ならでは風情を感じる。このような廃線ウォークは一人6,500円(峠の釜めし付き)、中間地点の旧熊ノ平駅からさらに上り軽井沢を目指すこともよし。折り返して重要文化財が並ぶアプトの道で戻るのもよし10km以上の徒歩で1日を満喫できるのは価値がある。公共インフラに関わるものとして、生活の利便性だけでなく愛着を持てる地域に根差した公共インフラの在り方を学んでいきたいと改めて感じた。
最後に横川駅22時45分発、長野駅行特急あさま37号、最終日となった1997年9月30日の時刻表を眺める。

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第4回 アーチの話

第4回はアーチの話です。前回アーチ橋が出てきましたが、アーチについて少し詳しくお話しします。

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アーチは上から荷重がかかると部材の中に圧縮力(反対は引張力、押される力)だけが作用するという特徴があります。そのためにローマの水道橋では石積みのアーチ橋が延々と続いています。古いトンネルの覆工にレンガを積んだものもあります。これは全て部材に圧縮力だけが作用するので可能な構造です。

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アーチ橋は支点に鉛直力と水平力が作用します。山間部のアーチ橋は岩盤がこの水平力を受けるので、きれいな姿を表します。この水平力が働かないようにアーチの両端を結んだものがタイドアーチです。支点に水平力が作用しないので都市内の軟弱地盤でも使えます。

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昔のアーチ橋はアーチだけで設計していましたが、全ての部材を設計上考慮したものがローゼ橋です。アーチ橋の適用は120mと前回書きましたが150mぐらいに広がります。更にこの部材を斜めにするともっと支間を長くできるというのがニールセン橋です。適用支間は170mぐらいになります。これを組み合わせたのがニールセンローゼ橋です。設計技術が進歩して全ての部材を設計に取り込んだおかげですが、構造物としての余裕は少なくなっています。写真はアーチ橋写真集から借用しました。

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以上
(理事・事務局長 内藤堅一)


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