2018年12月01日

ジェロントロジー

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シビルNPO連携プラットフォーム常務理事
株式会社アイ・エス・エスグループ本社代表取締役
SLIM JAPAN副理事長 中村 裕司


“ジェロントロジー (Gerontology)”という言葉があります。
Gerontとは、「老人」という意味のギリシャ語、-tologyは学問を指し示す接尾辞です。併せてジェロントロジー。これまでは主として医学の見地から、老年学、老人学、加齢学などと訳されてきました。
健康だけでなく、高齢者の福祉や社会参加、メンタルケアや年金問題を範囲とし、医学・社会学・生理学・心理学・経済学・法学・工学・建築学など、多様な見地から高齢者や高齢化について探求することを目的にした学問です。
元々、1903年イリヤ・メチニコフというロシアの免疫学者が言い始めた言葉で、老年の生きがいや社会参加あるいはシニア層の戦力化やシニア顧客層といったビジネス視点からも「老人」を研究対象にしてみてはという発想だそうです。ビジネス視点に沿った分野は、特に「産業老年学」とも名づけられております。
日本においても、桜美林大学院に老年学専攻があるほか、東京大学では「高齢社会綜合研究機構」が2009年から発足しています。東大では『2030年超高齢未来』を想定し、どんな高齢社会を実現することが課題なのかが多面的に研究されています。
「産業老年学」は、老人の生きがい、あるいはアクティブシニアといった健康志向にとどまりません。“高齢者”のための社会工学ではなく、むしろ“高齢社会”のための工学を目指していると言った方が適切だと思います。
ジェロントロジーが「高齢社会工学」に向かうものであるとするならば、それは社会基盤づくりを通じて国土やまちや社会を具体化してきた土木工学の延長線に位置する学問であり、「土木と市民をつなぐ」を標榜するCNCPの旗印からすれば、指向が一致する領域ではないかと考えます。
ジェロントロジー=高齢社会工学の目指す未来は、AIや自動走行を基盤とするモバイル社会かも知れませんし、高齢化する社会に対応したレジリエンス社会かもしれません。また、両者が融合する結果がコンパクトシティの実現を促進するかもしれません。社会が否応なく「高齢化」する以上、高齢社会に即応できる工学の樹立が望まれていく傾向は漸増するに違いありません。
この新しい概念である「高齢社会工学」に挑んでみることも、CNCPの今後の目的にしてみては如何でしょうか。
(中村裕司は、2019年より新任理事を努めさせて頂きます。宜しくお願いします。)
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | その他(随筆的な投稿)
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