2018年12月01日

木版画年賀状

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シビルNPO連携プラットフォーム個人正会員 比奈地 信雄


一昨年までCNCP通信の原稿依頼作業をしており、会員の方々の素晴らしい活動報告等に接し、感服しておりました。まさか今回小生に原稿依頼があるとは夢にも思っていませんでしたので大変困惑いたしました。
CNCP通信の作成に携わり、各分野で活躍しておられる会員の方々はさぞ多彩な趣味をお持ちし、楽しんで居られる事だろうと想像しておりました。
出来ればそのような趣味の一端でも記事にしていただければより趣深い通信誌になるのではないかと思っておりました。そこで今回恥も外聞も捨て小生の趣味の一端をお話し、そのきっかけになればと披露する事に致しました。
11月の声を聴くと毎年年賀状が売り出されます。それと同時に私も年賀状を作成しなければと心地よいプレッシャーが襲ってきます。50年以上毎年木版画で年賀状を作っているので年中行事ととらえ楽しみながら取り組んでおります。まず今年はどのような図柄にしようかから始まり、何色で仕上げるか、題字は何にするか、版木の材質の検討、版木に図柄の転写、彫面個所の色づけ、彫刻作業、はがきの湿らし、摺り作業等多数の工程を経て仕上げます。中でも画題の選定には神経を使い苦労しています。よく毎年その年の干支を題材にする人等同じ画題で作成する人が居りますがどうもマンネリになるようでなるべく毎年題材を変えるようにしております。その年に行った旅先で印象に残った景色や話題になった建物、小さい時から親しんでいる芝居や文楽の中でおめでたい場面を題材にしております。ここ数年は瀬谷に住んで40年余りになりますので「瀬谷をふるさとにする会」に参加し瀬谷の名所的な画題を採用しております。平成31年の賀状はこの9月に80歳になりましたので平成最後の年と併せておめでたい「壽三番叟」にしようと思っております。
版画を作成しているときはほとんど何も考えず無我の境地で細心の注意を払って版画刀を動かし、至極の時を過ごすことが出来ます。特に彫る事により版木から発するほのかな香りをかぎ、版木の癖をなだめながら対話しどのように仕上がるかを想像してわくわくしております。また彫り終え最初に摺る時のドキドキ感は毎年不安と期待とが交錯し、何とも言えない達成感が漂います。
この歳まで版画制作が出来る事に幸せを感じると共に何時までも道楽が続けられるように頑張ろうと思っております。

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イタリア バローナ
アリーナの朝

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竹抜き五郎 団十郎

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敦煌壁画

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道成寺
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | その他(随筆的な投稿)
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