2019年04月01日

建設系NPOへの追い風

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シビルNPO連携プラットフォーム 法人正会員
NPO法人道普請人 理事 福林 良典


筆者が感じる建設系NPOへの追い風について、2018年度の活動を振り返りつつ紹介してみたい。
私たちは「自分たちの道は自分たちで直す」という意識を広め世界の貧困削減に貢献しようと、アジア、太平洋州、アフリカで住民らと道路の整備を行っている。整備対象とする道路は幹線道路から枝分かれした、小規模で利用者も少ないが、地元の人々にとっては生活を支える道である。通行性が改善することに加え、自分たちで生活環境をよくした経験が自信となり、積極的な行動を起こせるようになる。現在、世界は「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向け、産官学が各々の専門や得意分野で取り組んでいる。誰も取り残さない、という取り組みが主流化されている。
2018年には新規に2か国で活動を行った。マダガスカルでは、小学校建設プロジェクトの一環で、通学路を小学校の教員や生徒の保護者らが集まり直すことになった。限られた整備距離ではあったが、人々は子供たちの教育のためにと積極的に参加した。ODA事業で学校建設の設計と施工監理を行う、日本の建築設計事務所との連携であった。
西アフリカのセネガルに囲まれたガンビアという国では、若者への現金収入や技能習得の機会を与えつつ道路整備を行った。日本政府の補正予算を受けILO(国際労働機関)が計画した事業を、日本のNPOである弊団体が受託し実施した。ケニア事務所で10年以上活動してきたケニア人スタッフが、現地に駐在しガンビア人の若者を相手に道普請を行った。
10年間日本人が駐在し活動したケニア事務所は、ケニア人スタッフに任せることにした。日本人はウガンダに駐在し、新たな事業を起こした。ルワンダでは別の日本人駐在員により事業を行っており、その様子はNHKワールドの番組で紹介された。ミャンマーでは大学生が一年間休学して現地に駐在し、3000万円規模の事業の業務調整を担当してもらっている。メールや電話、現地での指導ともちろん手はかかるが、一年後の成長ぶりが彼自身と日本の将来に期待を持たせる。
SDGs、多分野での活動、他機関との連携、国際化、現地化、人材育成、若者、といったキーワードが含まれる。建設系のノウハウに基づく活動が、上記のような活動展開を可能にしてきた、と感じている。
なぜかこの人と話をすると何事もうまくいきそうな気がする、という人がいる。そういう報告や発信ができるような、団体でありたいと思う。初心を忘れず(ぶれずに)、今後も成長していけるよう努力していく。
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | インフラメンテナンス
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