2019年04月01日

第12回 「インフラ」ということば

国立国語研究所「外来語」委員会が2003年(平成15年)から2006年(平成18年)の4回に分けて公表した『「外来語」言い換え提案―分かりにくい外来語を分かりやすくするための言葉遣いの工夫―』掲載の外来語176語のうち略語の方がよく使われるとして「インフラ infrastructure」だけが略して掲載された。「インフラ」はすでに独立して用いられることばとなっている。ここでは、言い換え語を「社会基盤」、意味説明を「交通、通信、電力、水道、公共施設など、社会や産業の基盤として整備される施設」としており、現在「土木」にもっとも密接なことばである。
外来語「インフラストラクチャー」は、初出として、フランスの証券取引新聞(1857年3月8日)に、サンクトペテルブルクからワルシャワまでの鉄道路線敷設の記事でinfrastructureとsuperstructureが対になって用いられているのがインターネットで確認できる。当初は文字通り、下部構造と上部構造の意味であり、英国の新聞The sun(1889年11月10日)にも" In all railway construction engineers are obliged to consider the infrastructure and the superstructure. (あらゆる鉄道建設において、技術者は下部構造と上部構造を考慮する義務がある。)"と、ここも鉄道分野で対になって使われている。
その後、1951年の北大西洋条約機構NATOの北大西洋理事会コミュニケで、欧州防衛のための恒久的な基地や施設を示すことばとして使われ、次第に広く基盤を意味するようになって、日本では「インフラ」として普及したのである。 (土木学会土木広報センター次長 小松 淳)
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | 人文等
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