1.東名高速道路「あおり運転」事故判決
CNCP通信Vol57(平成31年1月8日発行)において、次のとおり意見を述べた。
「2017年6月5日に起きた東名高速道路「あおり運転」事故で、横浜地裁は12月14日、自動車運転死傷行為処罰法で定められた危険運転致死傷罪の成立を認め、懲役18年の判決を出した。この判決には、全く異議は無いものの、判決理由の中で、高速道路上の停止させる行為が、危険運転には当たらないとするところは、全く間違っており、決して納得できるものではない。」それは、危険運転致死傷罪の「危険運転」が、車を運転していることを要件としていたため、停止させる行為は運転には当たらないとの判断であった。
2.高速道路上での停止は、最も危険な運転
高速道路上で停止することが、いかに危険な行為であるかは、図-1の「2019年NEXCO中日本管内交通死亡事故件数」を見れば分かるように、死亡事故の1/3が対停止車両である。死亡事故の形態では、最大値を占めている。

3.改正自動車運転死傷行為処罰法の成立
令和2年6月5日、改正自動車運転死傷行為処罰法が成立した。最高刑が懲役20年の危険運転致死傷罪の「危険運転」に、高速道路などで停車するなどの方法で走行中の車を停止または徐行させる行為が追加された。
また、あおり運転については、改正道路交通法の「あおり運転罪」も6月2日に成立した。これは、事故の有無に関係なく、違反者には「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」と一発で免許取り消しの行政処分が行われることとなった。
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