2020年09月01日

トンネル

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シビルNPO連携プラットフォーム 正会員
小松崎 暁子


土木専門家の皆さんに、素人の私がトンネルの話をします。
ご安心下さい。トンネルと言っても山を削って道をつなぐトンネルではありません。人生のトンネルの話です。

15年前の話ですから時効ということで解禁です。現在30歳になる愚息の話。当時、私は起業して仕事に夢中になりすぎ、帰宅が深夜になることもしばしばでした。夫も企業戦士(懐かしい単語!)で、ほぼ毎日午前様、という両親不在の家庭でした。

中学生だった息子は、ちょいとヤンチャで、両親不在をいいことに夜遅くまで遊び歩いていたわけです。
だんだん、朝起きられなくなる、学校に遅刻する、登校しない、夜になると遊びに出かける、という生活になり、友人とお酒を呑む、タバコを吸う、警察から電話が来る・・・。

この息子をどうすれば立ち直らせることができるのか。まさに私は暗闇に放り込まれた心境でした。
借りていた事務所を引き払って在宅勤務に切り替え、朝昼夜と三食手抜きをせずにせっせと料理を作り、夕方から遊びに出かける息子の帰りを待つ毎日。(なぜか帰宅が早くなったのは夫でした。笑)

こんな日々がいつまで続くのか、息子は進学できるのか、就職できるのか、独り立ちできるのか。永遠に抜け出せないかに思えた暗闇生活に終止符を打ったのは、暗い顔をして下を向いていた私に前を向かせるべく、ある退職された校長先生がおっしゃった一言でした。「お母さん、酒を呑んだって、タバコを吸ったって、そんなもん5年もすれば大した問題じゃなくなりますよ。」

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そうなんです。目の前が真っ暗闇で出口が見えなくなり「私と息子の人生終わった。」と思っていたら、遙か上空から眺めてみると、そこは人生という長い道のりの中のほんの一部分でしかなかったのです。その時から人生観が変わりました。どんなに長いトンネルにも出口があって、知恵と覚悟と諦めない心があれば、必ず青空の下に出る時が来る!しんどいのは今だけ・・・。

話は変わって2020年。世界中の人々がコロナ感染の恐怖と戦っています。
いつ終わりが来るのか、来ないのか。
人と接触しない生活、毎日マスクをつける生活、消毒・殺菌、不要不急の外出制限、経済の破綻。
しかし、人類は知恵と覚悟と諦めない心でこのトンネルを休むことなく前進し、必ず新しい世界へと導いて行くんだ!と私は信じています。しんどいのは今だけ!
愚息はその後いくつかのトンネル脱出後に大学進学、就職し、起業して、親元から独立していきました。

そういえば、そんなこともあったなぁ、と当時を思い出すこの頃です。
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | その他(随筆的な投稿)
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