2020年10月01日

第5回 鉄道の話 ―軌間ゲージ―

2本のレールの上を機関車や電車が走る基本のかたちは、大昔から全く変わっていません。そしてその2本のレールの間隔を、「軌間きかん・Gaugeゲージ」と言います。世界で最も普及しているゲージは、1,435mm(4フィート8.5インチ)で、標準軌スタンダードゲージと呼ばれ、それ以上広いものを広軌、狭いものを狭軌と呼んでいます。1814年に、スティーブンソンが蒸気機関車を走らせ、標準軌の機関車が普及していきました。しかし、当初からゲージが規格化されていたわけではなく、もっと広いほうが安定しているとか、効率が良いとか様々な議論があり、多様なゲージで敷設されていきます。1840年代になるとネットワークが広がり、異なる線路を接続させたいということから、“ゲージ戦争”が起こります。そして英国では標準軌に統一されていきますが、大陸の諸外国では、より広い機関車も開発され普及します。一方、1860年頃から、よりコンパクトな蒸気機関車の方が効率的ではということで、1,067mm(3フィート6インチ)の狭軌やフランスが開発した1,000mmのメーターゲージがアジア、アフリカなどで普及していきます。このような歴史から、現在にお
いても、世界中に広軌、標準軌そして狭軌が混在しており、我が国が鉄道のインフラ輸出を進める過程でも、ゲージ戦争に巻き込まれることがしばしば起こります。さて我が国の鉄道は、明治維新から始まりますが、1872年の新橋・横浜間の鉄道は、1067mmの狭軌でした。私の子供の頃、お雇い外国人が、“後進国の日本には、狭い植民地規格で十分”と狭軌を指導した・・・と聞いて、何となく信じていました。しかし当時の世界が狭軌ブームであったことや狭小な国土で財政基盤が出来ていない我が国の急激な欧化政策のなかで、現実的な決定をしたのではと思います。しかしこのために、明治の半ばから今日に至るまで、如何にしてゲージを広げるかという難しい課題に悩まされ続け、ついに新幹線へと飛躍することになります。

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(代表理事 山本 卓朗)
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | インフラメンテナンス
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