2020年04月01日

企画サービス部門の活動について

シビル NPO 連携プラットフォーム常務理事 企画サービス部門長
株式会社アイ・エス・エスグループ本社 代表取締役
CNCP法人正会員SLIM JAPAN 理事長 中村 裕司


■企画サービス部門のミッション
平成 26 年の設立から3年が経過した平成29年、3年間の活動を検証し、あらためて基本的なミッションに応える現実的な活動の方向を見定めるため、「活動見直しワークングチーム」が立ち上がり議論を進められました。その結果、"土木と市民社会をつなぐ”ことを基本テーマとして、三つの部門で取り組んできたサービス提供、諸団体との協働連携、 ソーシャルビジネスの顕在化と事業化、学会との連携活動などのプロジェクトを再整理し、部門組織を「企画サービス部門」,「協働推進部 門」,「事業化推進部門」,「土木学会連携部門」と事務局とし、各部門に常務理事が置かれることになりました。
企画サービス部門はCNCP活動全般を統括調整するとともに、中間支援組織としての当面する方策およびCNCPの基本テーマである“土木と市民社会をつなぐ”ための活動を企画実施するとして下記の機能が規定された。
・調査研修機能としては、新規分野での研究テーマの企画挑戦、他会員・サポーターだけでなく、全国の非会員土木系サードセクター活動の調査を行い、その情報のデータベース化、行政の協働事業や補助制度などの専門的な調査および研修会等具体的な活動を企画する。
・情報交流の機能としては、ホームページ・FACEBOOK、CNCP通信などのツールをより有効に活用するために、それらのコンテンツ化などを図り、土木系サードセクターの活動成果等を広く公開するために、土木学会との連携強化を図りつつ、その成果等の公開を通して、大学・政府系団体・他分野学会との連携の具体化を企画する。
・“土木と市民社会をつなぐ”ために活動を土木分野外にひろげるため、サポーター制度を強化し、ひろげる・つなぐワーキングチーム、CNCPサロンとの有機的な連携を図る。
また、そのうち財務の強化と人材の確保などCNCP活動の根幹については、各部門・事務局と協働で取り組むこととされました。
■企画サービス部門の現状
2019年8月〜2020年1月期については、以下のような活動を実施しました。
・新たな財務基盤の構築
・ひろげる・つなぐWG の拡充
・広報活動
具体的には、新たな財務基盤の構築については会員増大増口数と、当会独自の情報発信による事業収入の獲得方策を検討しました。また、ひろげる・つなぐWGの拡充のうちCNCPサロンについては第5回サロンのテーマをストリート・デザイン・マネジメントに決め、横浜国立大学の三浦先生を招き実施しました。また、広報活動として、橋のメンテナンスネットについては土木学会全国大会に参加し発表するとともに、山口県下で橋梁維持管理の研究会で説明し、あわせて橋守に関する公開シンポジウムに参加しました。
2020年2月〜7月の活動方針は、以下の4項目に再整理した上で、 CNCPが個々の会員NPO(供給先)と官公庁、各種団体、民間企業(需要先)をつなぐ中間支援組織であること踏まえた活動を展開することとしています。
@ 活動支援
A 情報・交流
B 調査・提案 提言
C 行事・研修
活動支援に関しては、他分野(例:地域包括ケアシステム)のマッチング事業を調査し、事業化推進部門とともにシビルマッチの再構築を図っていきます。また情報・交流に関しては、引き続き CNCPサロンおよびCNCP通信の企画において、新しい公共分野となる対象領域の拡大を徐々に探っていきます。また、調査・提案 提言に関しては、土木学会の「シビルNPO 推進小委員会」が2018年8月にまとめた「土木と市民社会をつなぐ活動」の調査結果をもとに、全国の非会員土木系サードセクター活動の調査を行い、あわせて行政の協同事業や支援制度の調査を実施する予定です。なお行事・研修に関しては、土木学会におけるインフラメンテナンス分野のシンポジウムなどを共催・後援することにしています。

■全国のまちづくりNPO調査
全国の非会員土木系サードセクター活動の調査を行い、その情報のデータベース化を進めることが、活動見直しワークングチームの議論の結果として当部門にミッションとして課せられました。そこで全国に土木系、まちづくり系のNPOが、どれくらいあるのか、どのような活動を行っているのかを調べ、CNCPの活動を全国非会員土木系サードセクター、更にはまちづくりNPOのニーズに沿ったものに調整し、できればCNCPの会員の増大にも繋げようと意図しています。
具体的には「内閣府NPOホームページ」の「NPO法人ポータルサイト」を活用して、活動分野を「まちづくり」に絞り、各法人の「行政入力情報」を開き、記載内容からシビル系か非シビル系のNPO法人であるかを判断し、シビル系NPOのリスト化をしていく予定です (シビル系とはシニアの土木技術者として取り組みやすい分野)。また、休業状態のNPOのリストアップを避けるため、過去3年の事業報告書等提出を確認します。
今後2か月ほどかけて調査し、成果は例えば、大都市圏のシビル系まちづくりNPO法人に対してCNCP通信を郵送し、徐々に当会に対する認知を得ていくとか、アンケート調査などを実施し、当会の活動を調整していく、あるいは、会員に一本釣りし、繋げる、広げる方法で雪だるま式に会員勧誘を拡大させ、当会の基盤強化につなげるなどを検討していきます。
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2020年03月01日

私の市民活動 地域の水に係ること

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シビルNPO連携プラットフォーム
個人正会員 駒田 智久


東久留米市に隣町から転居して20年近くになる。暫く経ってから仕事の一線を退き、時間の余裕が生じた。間もなく、土木学会では、CNCPも含んだ今に繋がる活動が起動し、多く係わったが、同じ頃、ある機縁で地域デビュー(のようなもの)を果たした。
分野は技術者としての現役時代は殆ど縁の無い「水環境」、というよりもそれを支える「水循環」に係るものであった。水循環という概念・言葉が社会的に認知・認識されたのは平成10年代の冒頭との話であるが、ほぼ10年遅れで自身も水循環という言葉を標題に用いて地域の水文状況に係るデータの収集・整理結果を纏めている。
その背景には東久留米市が湧水と清流に恵まれた街であることがある。当市には、ほぼ市内を湧出源とする黒目川と落合川が流れている。湧出直後であることから流れの透明度は高く、水質も良い(特に落合川は東京都の水質基準で南北多摩地区では唯一の最上級AAとされている)。副都心・池袋駅から僅か18km、そこで水に親しむ子供たちの姿は咋年8月の「アド街ック天国」(テレビ東京系)でも紹介された。(写真は市役所から遠くない落合川の毘沙門橋のすぐ下流での水遊び。) 市では平成23年に全国的にも珍しい「湧水・清流保全都市宣言」を発している。
一方、国は平成26年に到って水を国民共有の財産とする「水循環基本法」を定め、翌27年には水循環に関する施策の基本的な方針や具体項目を挙げた「水循環基本計画」を策定した。

このような動きを背景に、地域の良好な水環境が今後末永く保全され向上することを願って、平成28年に、座長に芝浦工大・守田優教授を迎えて「東久留米の水循環を勉強する会」を立ちあげた(自身は事務局長)。その後2年有余の活動成果を纏めた報告書を「東久留米・黒目川流域の水の今とこれから」として昨年夏・水の日に刊行した(上の写真はその表紙から)。内容を表に示す。前半の4章までは東久留米市を主とする流域の水に関係した状況であり、後半はその維持向上に係る取組みに関するものである。

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特筆すべきは、両川合流後の都県境での日10万トン近い流量、これは武蔵野礫層からの湧出であるが、この流量は水系としての黒目川流域の降雨〜地下浸透ではとても賄いきれず、その多くの部分を後背地である小平市など武蔵野台地のそれに依存していることの知見である。
問題はこれからである。これまで「お勉強」をしてきた。今後それを踏まえて実際に役立つどのような活動をすればいいか、現在調整中である。
大きなテーマは、後背地も含めた雨水の地下浸透の確保、具体には農地・緑地の保全であろう(特に「農地の保全」が、近年の都市農業振興施策があると言え危惧される)。農地という専ら農業者が保有する土地の保全に市民サイドで何ができるのか?また属している自治体を超えた広域的な取組みをどう推進していくのか?まるで風車に立ち向かうドンキホーテのようなものかもしれないが、仲間と共に、電池の切れかかった体と頭を使って努める他はない。(農地については農業者の方々が地域の水に係る貢献について必ずしも意識されていないのが歯がゆい。)
なお、健全な水循環に向けての実際は全体として行政の事項となる。そのため、上記の報告書を関係機関に進呈し、それを踏まえて説明会を開いた。結論から言うと、徒労感に満ちて帰ってくることが少なくなかった。国は兎も角、都県や市レベルでは水循環に係る横断的な取組みは全く無いようで、所掌事務に関することしか承知しない感があった。
 
水循環勉強会は有期の任意団体であり、その先に別途想定している、良好な水環境〜健全な水循環を目指す新たな活動を担う団体もNPOの認証を受けるかどうか?ある限られた地域で活動するとき、ベースで必要なのはその団体、それを構成している個人の信頼であり、多少公的な絡みが出てきても、形としてはその団体の規約や会員名簿が有れば事足りることになるからであるが、これらの活動は「シビルNPO」から見てどう位置付けされるのか?また、基本的に河川の平時流量の確保を目指すこのような活動はインフラメンテナンス国民会議・市民参画フォーラムからみてどうなのか?共に一定の位置付けが期待されうるのであろうが、余りこれらに関して意識していないのが実情である。
 
つくづく人生は偶然と縁だと感ずる。東久留米に転居しなければ決してこのような活動はしていなかった。もしあの正月に地元の氷川神社に参拝しなければ、また、その後で神社の傍を流れる落合川の水辺を散歩しなければ、同級の尾田栄章氏が我が街の集会に講師として来ることも知らず、その集会にも参加しなかっただろう。それで多少の縁ができて、その年に発足した市民環境会議にも参加しなかっただろう。参加しなれば、水循環に係るデータ整理もするわけがないのである。これからも偶然と縁を大事にしていきたい。
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グリーンインフラのすすめ

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シビルNPO連携プラットフォーム
副代表理事 花村 義久


皆さんすでにご承知ように、我々は今社会資本の老朽化や高齢化・人口減少、気候変動による自然災害激甚化など、様々な社会的な課題を抱えています。最近これを乗り切るのに、社会資本整備や土地利用において、自然環境が有する多様な機能を活用しようと云う考えが生まれています。この考えは自然との共生をベースにしたもので、グリーンインフラ(GI)として、従来の社会資本の枠を超えて自然資本を活用することによって、行き詰っている現在のインフラ問題を克服しようとするものです。
今までの緑地・緑化は、環境の保全や生活の安定、地域の活性化などの意味から取り組まれており、都市における公園、緑地・農地等のオープンスペースは多面的な機能を発揮するとともに、防災機能や景観形成、生活の憩いの場などを提供しています。国では、これをさらに充実させるべく、「集約型都市構造化」と「都市と緑・農の共生」という考えでもって、平成29年、都市緑地法、都市公園法、生産緑地法などの改正を行いました。
みどりによる社会基盤、グリーンインフラGIは、みどりすなわち生態系等自然環境の多機能を活用するという考えですが、上に述べた従来の緑地に対する考え方をよりダイナミックにとらえ、持続可能な社会、経済発展をもたらすインフラや土地利用計画を進めようとするものです。地球の温暖化砂漠化問題・エネルギ再生への取り組み、河川・ダム・都市環境に対する森の保全・樹木植生等都市緑化、インフラの老朽化対策や防災への備え、人口減少社会での新たな土地利用、投資・人材・オフィスなど活力ある都市空間の形成、そして景観・教育・健康・コミュニティ・安らぎの場等文化・生活空間の創出など、幅広い分野がその対象になります。
GIは、地方自治体での実現に期待されています。私が住む船橋市では、現在緑化問題を「船橋市緑の基本計画」という形で進めています。この計画書では、緑の機能として、健康維持・安らぎの場、防災、景観形成、生物多様性の保全、都市環境の保全を柱としています。これらは要素的にみるとかなりGIと重なっています。個人的なことになりますが、私も市の緑化推進委員会の委員であることから、また今までNPOとして校庭の芝生化や中国での砂漠の植樹など緑化問題に微力ながら関わったものとして、地域でのGIの推進が図られたらと考えるものです。
現在国土交通省では、国土形成計画にGIを取り込み、またグリーンインフラ懇談会の設置やポータルサイトの開設を行い、2019年にはグリーンインフラ推進戦略を発表しました。このテーマはいろいろな分野が関わりあうことから、それぞれの関係組織、関係者が連携してGIの推進が図られることを願うものです。

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