2019年10月01日

「土木と市民社会をつなぐ事業研究会発足」

<設立の背景>
CNCPは、設立3年を機にこれまでの活動を見直し、今後の活動の基本テーマとして「土木と市民社会をつなぐ」が設定されました。事業化推進部門でもこれを受けて、活動の見直しを行い、過去3回実施してきた、アワード事業と社会的課題解決を図るソーシャルビジネス(SB)や企業のCSV注1事業を中心に、「土木と市民社会をつなぐ」ためにどういう事業化を推進するべきかという視点で活動を見直す「土木と市民社会をつなぐ事業研究会」を立ち上げるに至りました。
注1:共通価値の創造(CSV)とは社会的課題を工夫のある事業で解決を図ると共に合わせて企業価値の向上を図る事業を称します。
<活動目的>
研究会の活動は社会的課題の解決を図る事業手法、特にソーシャルビジネス(SB)および企業の共通価値の創造(CSV)を学習すると共に建設分野における社会的課題の解決を図る事業を広く調査研究し、望ましい活動・事業とは何かを明らかにすることを目的とします。さらに、上記の望ましい活動や事業を実施している企業や団体を広く社会に紹介し、アワードとして賞することで、建設界に対する社会の理解を進めることも目的とします。また、この研究活動は土木学会とCNCPで進めている「土木と市民社会をつなぐフォーラム準備会」に参画して進めるものとします。

<主な活動内容>
@ SBおよびCSVの学習
A 社会的課題解決事業の調査
B 建設分野で望まれるSBやCSV等社会的課題解決の活動や事業の整理
C SBおよびCSVのセミナー開催
D 建設大賞の実施
<組 織>
・本研究会は事業化推進部門直轄組織として辻田担当理事が所管します。
・本研究会は「土木と市民社会をつなぐフォーラム準備会」と協働します。
<研究会メンバー>
研究会メンバーは下記の通りです。
・CNCP運営会議から:
山本代表、辻田理事、田中理事
・アワード(建設大賞)選定委員から:
田村選定委員
・ゼネコンから:
安藤ハザマ、熊谷組、鉄建建設、
西松建設、前田建設工業、奥村組
・アドバイザーとして:
武蔵大学 粉川先生、CNCP野村理事
<研究会の進め方>
・定例会は2〜3ヶ月に1回程度のペースで行っています。
・また、土木学会シビルNPO推進小委員会の「土木と市民社会をつなぐフォーラム準備会」の活動に参加して参ります。
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | 地域社会等

スポーツボランティアについて考える

img868.jpg
シビルNPO連携プラットフォーム サポーター
CSN理事 和久 昭正


先日(7/20)、日本大学法学部10号館で行われた「日本社会関係学会」に参加した。そこで扱われたテーマが表題の「スポーツ・ボランテイアについて考える」であった。
話題提供された講師は、大阪大学 山内直人教授、東北大学岡田彩准教授及び笹川スポーツ財団澁谷茂樹氏等である。一方、参加者もざっと見わたしたところ経済・経営学部の関係者が多かった。彼らは「社会関係学」という耳慣れない学問の専門家集団であった。
この「スポーツ・ボランティアについて考える」という話題は、もちろん東京オリンピック・パラピックに向けたボランテイアのありかたを見据えてのテーマ設定である。背景には、東京マラソンが市民ボランテイアの活躍によって運営され、成功している事例がある。この東京マラソンは、市民がトップランナーと一緒に走ることができる市民マラソンでもある。そこで議論されたテーマは、つぎの2点であった。
1)東京オリパラとボランテイアの役割(岡田彩 東北大学准教授,山内直人 大阪大学教授)
2)スポーツボランティアの現状と展望(笹川スポーツ財団 澁谷茂樹氏)

img869.jpg

1)は、短期間のボランティアである。このボランティアは定期的なボランティア活動ではなく、単発的な大きなイベントにおけるボランテイア活動である。アンケート結果では、このボランテイアの経験者は「またやりたい」と答えた人が80%を超えているとのことであった。
2)は、地域のスポーツイベントの運営と世話、日常的な団体・クラブの運営、スポーツの指導等である。私は、学生・社会人を通じてサッカー選手として活動した経験があったので、息子が小学生になった時点から地域のスポーツ少年団のサッカーチームを指導していた。そのため、2)について大いに関心をもって聴講した。
講演内容は、地域のスポーツボランテイアは「地域貢献の一環である」という趣旨のもとに議論が展開されていた。しかし、この点が私の考え方と異なっていた。そこでフロアーからの意見として次のような私の考えを述べた。
私は少年団の指導者をしていたが、“地域活動のボランテイア活動”という意識は少なく、“自分の持っているサッカーの技術を子供たちに伝えたい”という気持ちが強かった。すなわちノウハウの伝承である。極論すればその気持ち一点で、少年団の指導に当たっていた。ボールの蹴り方、トラップ、ドリブル、フェイント、タックル等の基本技術、そして攻撃の仕方や守り方等を子供たちに教えたい、そして良い選手を育てたいという気持ちが強かった。     雨の日や合宿では、左図に示す自作のテキスト「サッカーの戦術とルール」を使って講義を行った。
どんな競技でもスポーツの指導者は「子供たちを強くしたい」という気持ちは同じであると思う。これが結果的には地域活性化のためのボランテイア活動につながる。それでよいのではないかと思う。講師の澁谷氏も、意外な意見が出たとしてメモっておられた。なおこの学会は、現在、正式設立を目指して着々と準備を進めているとのことであった。 [以上] 
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | 地域社会等

2019年09月01日

地域おこしのためのイベントとレガシー

img840.jpg
シビルNPO連携プラットフォーム 理事 
NPO全国街道交流会議 代表理事
パシフィックコンサルタンツ株式会社 特別顧問 藤本 貴也


ある地域で、ウォーターフロントの再整備に取り組んでいる人達が中心になり、外国からも専門家を招聘して国際的な講演会を開催することとなった。先日、第一回目の実行委員会が開催され、私も縁あってその委員会を傍聴させていただいた。最初の会合でもあり委員長から各委員全員に意見を求められた。そのなかである建築家の委員から「会議以降にどのようなレガシーを残すかを検討することが重要である」との指摘があった。私もまったく同感だったが、各委員の皆さんから特段の反応は無く、むしろ会議開催費用の捻出(寄付金)に対する関心の方が高いような印象をもった。
私が代表理事を務めるNPO全国街道交流会議では、平成13年発足以来1〜2年に1回全国各地で「全国大会」を開催し、全国の関係者(約500〜800人)が集まっている。そこでは「街道」を切り口に開催地の自然・歴史・文化・産業、風土等を掘り下げてオンリーワンを再発見し、その地域の活性化にどうつなげていくかについて意見交換するとともに、各地からの参加者の地域おこしにフィードバックする場にもなっている。これまで、萩、富士、上山、松山、高山、高岡、鳥取、浜松、山口、小浜、福島で開催し、今年2月には静岡で第12回目の全国大会を開催した。毎回の大会で心掛けているのは主に以下の3点である。

@ 予算を含む大会の円滑な運営
A 複数市町村できれば県やブロックをまたぐ広域での取り組みの仕掛け
B 大会をスタート台にした具体的な地域おこしの活動(=大会のレガシー)

@は最低限の必要条件、Aは言うは易く行うは難いが、かつての街道往来等を踏まえた「広域連携」こそが私達NPOが重視している取り組み、Bはまさしくこれが「全国大会」開催の動機であり、目的である。

従来「街道」に着目した取り組みがあまり行われてこなかった東北地方において、国・県・市等と協力して「第3回上山大会」(平成16年)を開催し、その大会を総括する「大会宣言」で東北6県の町おこし関係者と「東北街道交流連携会議」の結成を呼びかけた。これに応えて翌年「とうほく街道会議」が発足、その後「羽州街道交流会議」を初め街道単位や県単位の街道団体が順次発足し、現在も活発に活動している。この他の各回の「全国大会」においても、そのレガシーとして、新たな地域間の連携体制の構築や地域と協力した社会実験、さらには観光庁の観光施策や文化庁の日本遺産を活用した継続的な地域おこしのための取り組み等を行っている。
とはいうものの、地域にインパクトを与えるような大会や講演会を開催する際には、それ自体にかなりの予算や大きなエネルギーが求められ、いつの間にか大会の円滑な運営そのものが目的になり、本来の目的(レガシーを残す)が疎かになりがちである。そこで、第4回の四国(松山)大会以降は、全国大会の前に数回事前勉強会を行い、「全国大会」のテーマや目的を関係者間で共有するとともに、「全国大会」をスタート台にしてどのような地域づくりに取り組んでいくのかについて議論し、大会を総括する「大会宣言」に反映させるようにした。また我々NPOとしても、地域の大会後の取り組みについて、可能な限り継続して共に取り組んでいくこととしている。
地域おこしを担うのは地元の市民・行政であり、また息の長い着実な取り組みが不可欠である。その一つのきっかけがイベントであり、それをいかにレガシーとしてイベント以降につなげていくかについては、共通のマニュアルは存在せず、その地域の状況に即した取り組みが必要である。各団体での様々な試行錯誤や工夫についての情報交換ができれば、地域おこしに苦労して取り組んでいる方々の貴重な参考になるのではないかと思う。
posted by CNCP事務局 at 00:00| Comment(0) | 地域社会等