2018年04月01日

ソーシャルインパクト評価に関するセミナーの開催について

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(特非)CNCP NPOファイナンス研究会 会員
(特非)社会基盤ライフサイクルマネジメント研究会理事 足立 忠郎


サービス提供部門のNPOファイナンス研究会では、ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)という資金調達手法の適用可能性を検討している。Vol.42においてインフラメンテナンス国民会議のロジックモデルとインパクトマップを事例として、NPO法人にとって有力な資金調達手法としてSIBの可能性について紹介した。
今回はCNCPで関わっている3つの事業の中間報告としてセミナーを開催したので、その概要と、図表を添え「ウナギ完全養殖」および「電線地中化」事例の事業モデルを掲載している。
1.セミナーの概要について
セミナー名称:ソーシャルインパクト評価と建設分野におけるモデル事業への挑戦
開催時期及び場所:3月23日(金)13:30〜16:30、千代田区錦町名古路ビル会議室
CNCP会員、CNCPサポーターなど約30名が参加した。
2.セミナーの内容について
(1)基調講演:「ソーシャルインパクト評価とは何か」
新日本有限責任監査法人パブリック・アフェアーズグループリーダー 高木麻美氏
社会的インパクトが注目されている背景として、@企業の社会性を考慮することが長期的価値の最大化に寄与するという投資家の意識の変化、AESG(環境・社会・起業統制)投資の増加、BSDGs(持続可能な開発目標)への関心の高まり、C「休眠預金の活用」への活用実績などを紹介いただいた。また実例を示しながらロジックモデルとインパクトマップ作成のポイントを示していただいた。「手段」ではなく「成果」を示すことが必要であること、資金調達の場合はどのアウトカム(成果)に対して支払いの条件を設定するか、変化をいかに示すかに留意すべきであることを理解した。

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高木氏の基調講演の様子

(2)事例研究成果発表
以下の3件のロジックモデルとインパクトマップを紹介した。
1) SIBファイナンス適用事業化検討例
⇒具体的なSIBファイナンス適用検討の可能性の高い2つの事業
@ ウナギ完全養殖インフラ整備事業  【CNCPシンクタンクチーム 小重忠司氏】
A 電線の地中化事業【NPO法人電線のない街づくり支援ネットワーク 井上利一氏】
2)課題解決型事業へのソーシャルインパクト評価の適用例
⇒金額的価値までは算出しないが、成果の指標値達成評価(テータ化)を行う事業
B インフラメンテナンス国民会議市民参画フォーラムでの検討
【CNCPインフラメンテナンス研究会 足立忠郎】

このうち、SIBに関わる事業例1)@、Aのロジックモデルとインパクトマップの具体例は以下のとおりである。文字を追ってその考え方の意図するところを感じてもらえれば幸いである。

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うなぎ完全養殖のロジックモデル

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無電柱化のロジックモデル

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うなぎ完全養殖のインパクトマップ(一部)

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無電柱化のインパクトマップ(一部)

3.パネルディスカッション
テーマ「3つの事例にみるソーシャルインパクト評価の展望と課題」
モデレーター:足立忠郎
パネラー:高木麻美氏、小重忠司氏、井上利一氏、和久昭正氏【CNCP】
討論において高木氏や参加者からいただいたアドバイスの一部を、以下に紹介しておきたい。
・和久委員から補足説明のあったVEの機能系統図は目的・手段の関係で表現されているが、ロジックモデルは原因・結果の因果関係で纏められ、類似性がある。目的に応じて使い分けるのが効率的である。事業戦略作成などにはロードマップが有効な場合もある。
・ロジックモデルは、各事業およびアウトカム間の関連性、時系列性が取り入れられて、最終目的を達成するプロセスをステークホルダー間で共有、合意する手段として有効である。
・インパクトマップは、必ずしも網羅的に作成する必要はない。評価の目的に応じてどのアウトカムに対してどこまで検討するかを事前に決めておくと効率的である。SIB資金の出し手がイメージしやすいアウトカムに絞り込んで金銭的価値化することも重要である。
・測定方法としてアンケートがあるが手間とコストがかかる。先行事例等代用できる指標を探して利用すると効率的である。そうした手引書、データ集の作成と公開など今後の課題は多い。
・昨年には、国交省のまちづくり委員会で社会的インパクト評価について講演する機会があったり、今年の2月には経産省と厚労省主催のSIBセミナーに内閣府、総務省、法務省も共催して課長クラスが話し合うという、省際的な動きがあったりしている。また、内閣府ではPFIとSIBの関連性に関心を持っている。それぞれ思いは様々だが、少しずつ動き出しているのが分かる。
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NPO法成立20年と財政基盤

3月19日の朝日新聞に「社会を変えた非営利活動」という大きく2面を使った解説記事が掲載されています。ここでは、CNCP通信46号にトピックスとして掲載した「動き出した(略称)休眠預金等活用法」についても言及しており、多くのNPOの悩みは資金難で、収入源の多様化が大きな課題としています。また急成長しているのが、ネットを利用して資金を募る「クラウドファンディング」で、その事例として株式会社READYFORを取り上げ、お金を集めたい人は同社のサイトで使い道と目標金額を提示して期限を決めて募る。これまでに総額で7850件、56億円が集まったとのこと。
 CNCPでは、当初から事業化による資金調達をめざすとともに、ファイナンス研究会などで多くに事例やシステムを議論してきましたが、現在のところ、寄付に頼るという実態から脱皮していません。こういった情報を参考に、さらに努力したいと思います。          (代表理事 山本卓朗)

さて、ひとこと欄をほぼ1年続けてきましたが、今回で一区切りにします。次号から、シリーズ「土木ということば」(仮題)を始める予定です。「土木ということば」を説明せよ、と言われたとき、ウッ!と詰まることありますね。そのあたりを歴史的な資料を研究している仲間の協力を得て解き明かします。
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2018年03月01日

セミナー「ソーシャルインパクト評価と建設分野におけるモデル事業への挑戦」

主催:NPO法人CNCPサービス提供部門NPOファイナンス研究会
           共催:インフラメンテナンス国民会議市民参画フォーラム事務局
          後援:土木学会教育企画・人材育成委員会シビルNPO推進小委員会


CNCPサービス提供部門NPOファイナンス研究会では昨年6月よりNPO活動における資金調達手法の一つとして「ソーシャルインパクト評価を適用してのソーシャルインパクトボンド(SIB)」を研究してきましたが、CNCPで関わっている3つの事業を例に中間報告を取りまとめる段階に来ています。このたび以下の要綱で、基調講演と適用事例の紹介およびそれに基づくパネル討論を企画しました。世界的に注目を集めている分野でもありますので、ぜひ参加いただき情報を共有させてください。



1.開催時期及び場所
3月23日(金)13:30〜16:30、
千代田区錦町名古路ビル本館2階会議室
2.内容(時間割り)
  (1)講演:ソーシャルインパクト評価とは何か(30分)
  【新日本有限責任監査法人パブリック・アフェアーズグループリーダー 高木麻美氏】
(2)事例研究成果発表(各20分:60分)
   1) SIBファイナンス適用事業化検討例
    @ウナギ完全養殖インフラ整備事業  【CNCPシンクタンクチーム 小重忠司氏】
    A電線の地中化事業【NPO法人電線のない街づくり支援ネットワーク 井上利一氏】
   2) 課題解決型事業へのソーシャルインパクト評価の適用例
    Bインフラメンテナンス国民会議市民参画フォーラムでの検討
【CNCPインフラメンテナンス研究会 足立忠郎氏】
   (3)パネルディスカッション(50分)
「3つの事例にみるソーシャルインパクト評価の展望と課題」
 ・モデレーター:足立忠郎氏
 ・パネラー:高木麻美氏、小重忠司氏、井上利一氏、和久昭正氏【CNCP】
   (4)会場からの質問等(10分)
3.定員、申込先および参加費等
定員:36名
申込先:CNCP担当常務理事有岡正樹(arioka1010@gmail.com)
Tel.090-3401-6767
会費:CNCP会員及びサポーター:1,000円/人(発話者および学生除く)
     一般(国民会議関係者等) :2,000円/人
 一般の方で申し込み時、CNCPホームページ又は下記URLによりサポーター登録をしていただくと、上記上段の会費で参加いただけますのでご利用下さい。 http://npo-cncp.org/support-contact/index.php 
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