2020年08月01日

第7回 ふれあい松戸川

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シビルNPO連携プラットフォーム(CNCP)理事・事務局長
内藤 堅一


私は千葉県松戸市に住んでいる。松戸市は東京都の東端の江戸川の対岸にある。歌謡曲で有名になった「矢切の渡し」は寅さんの映画で有名になった東京都の葛飾柴又から松戸市矢切を結んでおり、今でも健在である。私は1970年(昭和45年)に松戸市に自宅を購入したが、転勤族で実際に住むようになったのは1994年(平成6年)からである。松戸市のまち歩きの会で2009年(平成21年)初めて知ったのが「ふれあい松戸川」である。
江戸川には沢山の水道の取水口があるが、支流の一つである汚れた坂川の水をこれらの取水口の上流で江戸川に合流させないことと、同時に浄化してきれいにした水を江戸川に放流することを目的に作られた河川浄化施設である。私の散歩道にある「六間川」が逆流しているのに気がついていたが、見学して話を聞くまでは、なぜ逆流するのか理解できなかったので、この機会に土木遺産というにふさわしいかは別にして紹介してみたい。

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ふれあい松戸川
江戸川、手賀沼、大堀川、坂川の水質が悪化したため、水質浄化のためにいろいろな策がとられたが、特に効果があったものが、利根川からの導水であった。北千葉導水で利根川の水を手賀沼、大堀川、坂川に供給すると共に、各所に浄化装置を作った。さらに坂川の水害対策も含めて「清流ルネッサンス21江戸川・坂川事業」を行った。その一つが「ふれあい松戸川」である。この事業は1993年から2000年まで行われた。以下次ページの図を見ながら読んでいただきたい。古ヶ崎排水機場で六間川から水をポンプアップして、江戸川河川敷の地下にあるフラワーラインに水を入れ、きれいになった水が「ふれあい松戸川」に流れる。「ふれあい松戸川」の戻り口から上流の坂川、六間川は古ヶ崎排水機場まで逆流している。河川勾配がほとんどないので、戻り口の堰と送水、古ヶ崎排水機場のポンプアップで逆流できている。戻り口から下流の坂川が水道の取水口の下流で江戸川に合流している。

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「ふれあい松戸川」の」目的
@ 江戸川から水道水に適した安全な水を取水できるようにする。
A 有害な物質が江戸川に流れないようにする。
B 豊かな自然環境を持った場所を作る。
「ふれあい松戸川の考え方」
@ 自然な川の姿にする。
A 江戸川の自然環境にマッチさせる。
B 人間の関与を最小限にして自然の推移に任せる。

「ふれあい松戸川」の工事
@ 河川敷を作る。
A ふれあい松戸川を作る。
B 古ヶ崎浄化施設を作って坂川の水を浄化する。
C 坂川、新坂川、六間川の水の流れを変える。
D 古ヶ崎浄水場、金町浄水場、栗山浄水場の取水口に坂川の水を入れない様に、坂川の江戸川への落口を、これら浄水場の下流にする。

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11年前のまち歩きの資料から、原稿を作成した。その後、現在がどうなっているのか確認するために古ヶ崎排水機場から戻り口、松戸神社まで歩いてみた。ふれあい松戸川の起点に浄化施設から水が流れ出ていない、戻り口の落差工がなくなっているのに気付き、国交省江戸川河川工事事務所に問い合わせてみた。

現在赤圦樋門のラバーゲートが壊れているので、松戸市と調整中で、変則的な運転をしているとの説明であった。詳細は聞けなかったが北千葉導水のお陰で坂川がかなりきれいになり、浄化しなくても良いのかもしれない。

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コロナ禍が働き方革命を

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シビルNPO連携プラットフォーム 個人正会員
日刊建設通信新聞社 社長
和田 惠


新型コロナウイルスのパンデミック発生から、ほぼ7カ月が過ぎた。わが国の場合、多くの国の感染爆発をよそに、徹底した検査や隔離体制を敷くこともなくコロナを抑え込んだ「日本モデルを世界に示せた」(安倍首相)として緊急事態を解除したものの、定見や状況認識の乏しさや指導力のなさは相変わらずで、7月からは再び感染拡大に転じている。特に東京や大阪など大都市圏での1日当たり感染者数は過去最高を更新する事態に陥り、再び不要不急の外出自粛が取りざたされている。
世界はいま、防疫と経済の両面作戦におおわらわといった状況だが、この新型コロナウイルスは日が経つにつれ、やっかいさが増しているようだ。というのも、比較的早い時点で、中国・武漢のものと欧州型といわれるタイプの違う種類が確認されているが、いまや数は100種類にも及ぶとされる。国会で東大先端研の児玉名誉教授が指摘した「東京型」「埼玉型」の発生懸念も、その一つである。つまり、急速に変異してエピセンター(感染集積地)を形成するのが、この新型コロナウイルスの特徴というわけだ。
気の早いマスコミでは、欧米や中国でのワクチン開発が大詰めであり、早ければ年内にも供給開始されるとの報道が散見されるが、一方で変異するのが特徴の一つと聞かされると、コロナウイルスは変異の過程で進化、強力化すると考えるのが自然であり、そうであれば、当分の間はコロナ時代が続く、と覚悟を決めて日々を送る必要があるのではないか。
コロナ対応で気付かされたことに「テレワークは案外、使える」というのがある。昭和世代にとって「仕事は会社でするものであり、家でするのは会社で終わらない残りの、自宅に持ち帰って片付ける(程度のモノ)」が常識だったが、働き方の一つとして定着する気配である。
前向きなのは建設コンサルタント会社や設計事務所などである。すでに多くの会社が恒常的な在宅勤務態勢を敷きつつある。中でも定常的な業務や管理業務などは親和性が高く、先の緊急事態宣言下での運用実績をベースに制度設計も進んでいるようだ。某建設コンサル会社のトップは「利点と欠点の洗い出しをしているが、在宅勤務に馴染む業務は間違いなくあるので、定着させたい。雇用形態も新たに在宅職を設け、対象も経験や実績のある高齢者に拡げる。定年の概念はなくなるかも知れない」と語る。新型コロナ感染症は、営々と築き上げてきた働き方の常識を覆す、文字どおりの働き方革命のきっかけになりそうだ。
7月27日現在
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2020年07月01日

高速道路上で停止させる行為を「危険運転」に法改正

(特非)シビルNPO連携プラットフォーム 法人正会員
特定非営利活動法人 道路の安全性向上協議会
専務理事 吉川 良一
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1.東名高速道路「あおり運転」事故判決
CNCP通信Vol57(平成31年1月8日発行)において、次のとおり意見を述べた。
「2017年6月5日に起きた東名高速道路「あおり運転」事故で、横浜地裁は12月14日、自動車運転死傷行為処罰法で定められた危険運転致死傷罪の成立を認め、懲役18年の判決を出した。この判決には、全く異議は無いものの、判決理由の中で、高速道路上の停止させる行為が、危険運転には当たらないとするところは、全く間違っており、決して納得できるものではない。」それは、危険運転致死傷罪の「危険運転」が、車を運転していることを要件としていたため、停止させる行為は運転には当たらないとの判断であった。
2.高速道路上での停止は、最も危険な運転
高速道路上で停止することが、いかに危険な行為であるかは、図-1の「2019年NEXCO中日本管内交通死亡事故件数」を見れば分かるように、死亡事故の1/3が対停止車両である。死亡事故の形態では、最大値を占めている。

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3.改正自動車運転死傷行為処罰法の成立
令和2年6月5日、改正自動車運転死傷行為処罰法が成立した。最高刑が懲役20年の危険運転致死傷罪の「危険運転」に、高速道路などで停車するなどの方法で走行中の車を停止または徐行させる行為が追加された。
また、あおり運転については、改正道路交通法の「あおり運転罪」も6月2日に成立した。これは、事故の有無に関係なく、違反者には「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」と一発で免許取り消しの行政処分が行われることとなった。
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